【新型スペーシアを○△✕で判定】◯は豊富な便利機能!「×」はCVTのアレだった。
【新型スペーシアの△】新型N-BOXに及ばない乗り心地、静粛性、NAエンジンの力感
「△」をあえて挙げると、乗り心地や静粛性が最大のライバルにわずかに差をつけられていること。新型スペーシアは、プラットフォームの「ハーテクト」を先代から流用しつつも、ボディ重量の軽量化、環状用骨格や構造用接着剤の採用、アンダーボディの接合面への減衰接着剤、リヤまわりへの遮音バッフルの配置、後席リヤバンプストッパーの特性変更など入念な乗り心地、静粛性向上策を盛り込んでいる。こうした恩恵により、先代で散見された40~50km/h程度でのこもり音やドラミングなどはかなり抑えられている。 一方で、新型N-BOXと比べると路面の小さな入力の遮断が少し甘いように感じられた。筆者は、新型N-BOXのNAエンジン車でスペーシアのプレス試乗会に向かったが、前席、後席ともにNVHの面では若干王者に及ばない印象を受けた。ただし、新型N-BOXの乗り味や静かさは、軽スーパーハイトワゴンでも先頭を独走していて、タントやルークス/デリカミニなどと比べると、差は極わずかだ。 また、スペーシアはマイルドハイブリッド(ISG)を採用しているが、その恩恵は平坦な街中などに限られる。なお、モーターによるアシスト力や作動時間などは先代と変わらないようだ。あくまで発進時やエンジンの再始動、そして燃費をサポートするのがマイルドハイブリッドの主な役割であることは、重々承知だが、NAエンジンの力感をサポートするほどの加勢は得られない。 NAは新たに「R06D」型を積み、軽ハイトワゴンクラストップの25.1km/L(WLTCモード)を実現したという利点があり、街中で流れに乗る程度であれば不足はない一方で、坂の多い地域や高速道路を使ってキャンプやスキー、マリンスポーツなどを楽しむのであれば、明らかに余力のあるターボ車を指名したい。なお、ライバルのN-BOXは、NAエンジンでも数値以上に「よく走る」ように進化し、スペーシアは燃費重視という性格になっている。