「一体、何匹いるんだ…」とんでもない数で『集団生活』する魚の生態に驚き。
海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。メバルはほぼ全国的に分布するポピュラーな魚。岩礁帯や藻場などをすみかにし、群れで見かけることが多い。30cmを超えるとかなり大型と言っていいくらいの小さい魚だが、パワフルで引きが強いため釣りの対象魚として人気のターゲットだ。 【写真】拡大すると「可愛い!」メバルの写真ギャラリーをみる
【Target Profile】メバル
北海道南部~九州に分布。目が大きいのでメバルと呼ばれる。内湾部に多く、浅海の岩礁帯に群れですむことが多い。アマモやガラモなどの藻場をとくに好む。魚類、甲殻類、アミなどを食べている。夜間には大群で表層近くまで浮上し、活発にエサを追う。
メバルは藻場で大群をなして集団生活
メバルは岩礁帯や藻場などのストラクチャーに付く魚。季節によって、若干群れの規模が違うものの、いつも決まった所で見かける。特に大型メバルはその傾向がより強いように思われる。逆にいえば大型メバルたちには好むストラクチャー(障害物)があるともいえる。 [写真キャプション] 一面に藻が生えている場所をメバルがすみかにしていた。そろりそろりと藻の間から浮上する。 普段はストラクチャーの中やその近辺に潜んでいるが、潮が流れ出したらこぞって浮上してくる。お食事タイムだ。メバルはぽっかり浮かんだり、あるいはゆっくり泳いだりする。朝夕や夜間には海面近くまで浮き上がることもあるが、日中はすぐに逃げ込める範囲しか行動しないようだ。 [写真キャプション] 岩の割れの中はかっこうの隠れ家。ここにいればまずは安心だ。 メバルの群れが着くのが「藻場」だ。藻場の規模が大きいほどメバルの群れも大規模になる。遠くから見ると、藻の少し上にメバルがびっしり浮かんでいるのが確認できる。だが、接近すると藻の中へ隠れてしまう。しかし、しばらく待っているとまた徐々に浮上してきて、いったい何尾いるのだろうと驚くほどの数が出現する。 [写真キャプション] いったい何尾いるのだろうか。そう思わせられるメバルの数。15~25cmくらいの大きさだが、20m四方だけでも100尾以上は確実にいる感じだった。 よく潜るポイントでは、いつもメバルたちが同じ場所にいるのですっかりおなじみになった個体もいる。「これを釣ったらかなりすごい引きをするだろうな」と思う大型メバルも多々。翌年にも翌々年にも、そこには同じ魚かどうかはわからないが、尺上(30cm超え)の大型メバルがいたりする。ただ、大型メバルになるほど、単独で見かけることも多く、おそらくエサを求めて、あちこちに動いているのかもしれない。