ランドローバー・ディフェンダー、2026年から“究極のサバイバル”ダカールラリー挑戦へ。市販車ストッククラスに3台投入
ランドローバーは、同社のディフェンダーブランドの3年計画の一環として、2026年からダカールラリーに参戦することを発表した。 【動画】ダカールラリー2025:ルート紹介 参戦するのは市販車で争われるストッククラス。世界ラリーレイド選手権の全ラウンドにディフェンダーを2台、さらにダカールでは3台目を参戦ラインアップに加える。 2026年にはスポーティングレギュレーションとテクニカルレギュレーションが更新され、ストッククラスはより競争が激しくなり、各メーカーがラリーレイドで実力を発揮できるようになる。 トヨタやダチア、フォードなどのプロトタイプ車両が参戦するアルティメットクラスではなく、ストッククラスからダカールを戦うことを決めた理由についてジャガー・ランドローバー(JLR)・モータースポーツのマネージングディレクターを務めるジェームス・バークレイは、motorsport.comを含むメディアに次のように語った。 「我々がアルティメットに参加するのは、本来あるべき姿ではない。ディフェンダーは正真正銘のオフロード車両だ」 「歴史上初の四輪駆動オフロード車両だったのだから、モータースポーツの世界に来て、それ(アルティメットクラスへの参戦)をやる必要があるかと言われれば、そうではない」 「唯一の正しい方法は、市販車としての素晴らしいディフェンダーの能力を実証することだ。我々がディフェンダーみたいなスペースフレームの車両を作っても、それは我々の意見では本来あるべき姿とは言えない」 「この挑戦は、我々の本物の車両を持ってきて、その能力を示し、このビジョンを補完するモノであってほしかったのだ」 「ASOとFIAはレギュレーションを見て、『OK、改善する必要がある』と言わなければならなかった。レギュレーションは非常に古い市販車のコンセプトに基づくモノだった。我々が行なったのは、FIAとASOと協力して、レギュレーションを現代の市販SUVの実情と一致させることだ」 「ディフェンダーはアルミニウム製アーキテクチャを採用した。我々がD7Xプラットフォームと呼んでいるモノだ。アルミニウム製モノコック構造であり、従来の一般的なSUVの製造方法よりも3倍頑丈だ」 「パワートレインも非常に興味深いモノで、これについては後ほど詳しく伝える」 「オフロードスポーツに目を向けると、我々は大きなチャンスがあると考えている。サーキットレースにおけるGT3とGT4を比較した場合、このカテゴリーが設立された2000年にはGTレースがほとんどなかった。今見ると、GTレースはGT3とGT4で盛んだが、オフロードレースには大きなチャンスがあるのだ」 ランドローバーは3台体制で挑む2026年のダカールラリーに向けて、まだドライバーラインアップを発表していない。しかし、プログラムを率いる経験豊富なドライバーを起用することを検討しているという。また、女性ドライバーを採用する可能性あるという。 ディフェンダーは既にダカールラリー2025の公式車両を務め、ラリー関係者やVIPを運ぶために20台が供給されている。またASOが2026年、2027年、2028年のダカールラリー開催に向けてルートを計画するのを支援するため、さらに改良型レッキ車両が6台加わる予定だ。 ランドローバーは既に、ダカールラリーやラリーレイドに投入される車両の包括的な開発プログラムに着手しており、2025年秋に初めて競技環境に投入する予定であると説明。これは2026年1月に開催される第48回ダカールラリー挑戦に先立つモノだ。
Mario Galán