Google、Android XRでAIと拡張現実の融合を追求する未来
またGeminiとは、Googleが独自に構築した大規模言語モデル(LLM)を使う生成AIサービス全般のことだ。OpenAIにおけるChatGPTと同じようなものと思っておけばいいだろう。 Googleは、12月12日(米国時間)にAndroid XRを発表した際、このOSを搭載するAndroid XR搭載第1弾デバイスをクアルコムやサムスンと協力して開発していると述べた。これはサムスンが2023年のGalaxy Unpackedイベントで開発を発表していたもので、クアルコムの新開発プロセッサーを搭載し、2025年に発売される予定だ。
■以前にもVR/AR製品を開発していた Googleは以前にもVR/AR製品を開発していたことがある。それがVRヘッドセット製品のDaydreamと、眼鏡型のARスマートグラス製品Google Glassだ。この2つのプロジェクトは、いずれも発表当時には大きな注目を集めたものの、Daydreamは期待されたほどの成功は得られず、Google Glassは当初の一般消費者向けから産業向けに販売ターゲットをシフトして細々と提供が続けられたものの、2023年に販売を終了した。
いずれも、未来を感じさせる先進的なデバイスだったが、大きな市場を形成するほど人々の生活や仕事を便利にしたり、人々が欲しくなるほどのエンターテインメントコンテンツを取りそろえるには至らなかった。要するに、世の中に出すにはまだ早すぎたジャンルだったということだろう。 しかし、Googleはこれら2つのプロジェクトで培われた技術を無駄にはせず、ここ数年で急激な進歩を遂げたAI技術と融合させることで、再びヘッドセット製品に取り組んでいる。
■Geminiを融合したAndroid XR Android XRヘッドセットを装着したユーザーの視界には、前面カメラからのパススルー映像で目の前の現実世界が映し出され、そこにAndroidアプリが浮かぶように表示する(見た感じは、アップルのApple Vision Pro使用時とよく似ている)。これらのアプリはジェスチャー操作やGeminiを介した音声操作によって、アプリのウィンドウを移動したり、視界の隅に最小化したり、画面上のテキストのドラッグ・アンド・ドロップ操作などを行える。アプリの上部にはWindowsやmacOSのようにヘッダーバーがあり、画面の下部に操作ボタンが配置される。