越乃リュウ「宝塚を退団して変わったのは、時間の使い方。自分へのご褒美は、好みの香りと上質な空間での贅沢な大人の時間」
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第85回は「大人の贅沢な時間の使い方』」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて) 【写真】大阪のラグシュアリーホテル「コンラッド大阪」40階からの眺め * * * * * * * ◆『時間の使い方』 宝塚を退団した人に、退団して何が変わったかを聞くと、だいたいみんなこう答えるでしょう。 「時間の使い方」だと。 宝塚時代、やることが明確にあったので、それに向かってひたすら進んでいく日々でした。 休日の過ごし方は、身体のメンテナンスと、必要な買い物。 ゆっくりしているつもりでも、常に頭には舞台のことや次やるべきことがありました。 それが当たり前な21年でした。 その忙しい日常がなくなると楽になるかと思いきや、何もしないで時間が過ぎていくことが恐くて、罪を犯しているかのような罪悪感に苛まれました。 忙しくない時間に戸惑い、どうしていいかわからなくなくなりました。 そして忙しい日常がなくなって初めて気づきました。 やることが明確にあった日々の幸せを。 忙しい時は時間が欲しくなり、時間ができると忙しくしたいと思う。 人はつくづく勝手なものです。 慣れない時間の中で私は溺れ足掻いていました。
◆自分へのご褒美 そんな時を経て、少しは時間の使い方に慣れてきたかというと、正直そうでもありません。 これはもう性分なのでしょう。 忙しくしていないと気が済まない性分です。 ただ、時々自分にご褒美の時間を作るようにしました。 宝塚時代の自分へのご褒美は、身体のメンテナンスにお金をかけることだったり、身につけるものを買うことでしたが、今は自分の心と身体が癒され、喜ぶことがご褒美になりました。 私にとっての癒しはずっと香りでした。 旅先で行った京都のホテルで好みの香りに出会い、アロマを即買いしたことがありました。 身震いがするような好みの香りで、今もその香りを超えるものは出てきていません。 心地よい香りを嗅ぐと心が落ち着いてリラックスできます。
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