おニャン子クラブからマイケル・ジャクソンまで、1980年代を席巻したブランド「SAILORS(セーラーズ)」を振り返る
ブランドSAILORS誕生 渋谷にショップを開店
10年続けた江古田のHUDSON JAPANを引き払い、渋谷にSailorsの旗艦店を開店する。ここから“ブランドSAILORS”の歩みがはじまる。
「1983年に渋谷の『マルイシティ渋谷』の裏あたりにお店を出すのですが、お店をオープンしてわずか3ヶ月でテナント運営会社がまた貸しだったため、保証金などは持っていかれたまま、その物件から立ち退かなくてはいけなくなりました。 その後公園通りから路地を入った北谷公園向かいにお店を移転オープンするのですが、個人宅だったその物件を店舗用に改築する費用もかかったので、膨大な金額を費やしてのスタートとなりました」
転機となった「おニャン子クラブ」、そして年商28億円を記録
前途多難な渋谷店のスタートだったが、このときには人気芸人の「とんねるず」や大人気だった女子プロレスラーの「クラッシュギャルズ」をはじめ、さまざまなアイドルや芸能人を顧客に抱え、
SAILORSはすでに人気ブランドというポジションを獲得していた。そんなさなか、さらなる転機が訪れたという。
「1985年にフジテレビの伝説の番組『夕焼けニャンニャン』のプロデューサーが私のもとに訪れて、『おニャン子クラブの衣装を手がけてほしい』と依頼がありました。
こうしておニャン子クラブがSAILORSの服を着て連日TVに出ると、お店には日々2,000人の大行列ができるようになりました。整理券を配り、お1人さま15万円まで、一回で店舗に入れる人数は40人、15分でお客さまを入れ替え、15歳未満の方は保護者同伴というルールを作って毎日営業し、9坪のお店で年商28億円を記録するまでになりました」
マイケル・ジャクソンをはじめ1980年代の世界的なスターに愛されたSailors
Sailorsといえば、マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー、シルベスター・スタローンやマイク・タイソン、マドンナ、ジャッキー・チェンなど、世界的なスターに愛されたことでも知られている。そこにはどんなエピソードがあったのか、引き続き伺っていこう。
「キョードートーキョーの当時の社長の永島 達司(ながしま たつじ)さんから連絡がありました。当時日本で起きていた誘拐事件にマイケルが心を痛めていて、何かメッセージを発信したいと言っていて、若者に人気のSAILORSと何かできないか、と打診がありました。