妻と1歳の娘を殺害後…不倫相手に「大好き大好き」 元看護師・渡辺健被告(29)の初公判 何度も殺害企てた事件の経緯
■新居での生活の3カ月後に殺害
新潟市南区に新築を建てていた渡辺被告は8月10日から春香さんと純ちゃんとの新居での生活を始めたが、その前日には不倫相手から「年内中に離婚についての動きがなければ諦める」と不倫関係についての期限を宣告されていた。 この後、塩化カリウムに関する検索を続けていた渡辺被告は9月10日に勤務先の病院から塩化カリウムを盗む事件を起こす。 不倫相手との同居生活が終わった後も不倫相手と密会したり、相手の家に泊まったりを繰り返していた渡辺被告は10月30日には殺害事件に使われたロープを購入。その間も春香さんへの殺意を抱いていたかのように「看護師 実刑 免許」「自殺 保険金」「自殺による死亡の場合、保険金はどうなる?」などの検索履歴が残っていた。 そして、11月7日午前1時29分ごろに不倫相手と密会した渡辺被告。 午前4時33分ごろに春香さんに帰宅する旨のメッセージを送り、帰宅後に就寝したのち、午前10時ごろに起きてから10時半ごろに春香さんと純ちゃんをロープで自殺に見せかけて殺害した。 殺害後には春香さんのスマホから自殺をほのめかすような偽装メッセージを自身のスマホに送り、自殺かのような通報を消防と警察にしていた。その後、渡辺被告は不倫相手に対し、「大好き大好き」などとメッセージで送っていた。
■殺害の動機は「不倫関係の継続」?
何度も殺害を企て、最終的に自殺に装った形で2人を殺害した渡辺被告。 検察側は「渡辺被告が職場の同僚女性と不倫関係を継続するにあたり、障害となっていた自身の妻子を排除しようと考えていた」とその動機について指摘した。 検察側: 殺害の約8カ月前となる2021年3月、妻に睡眠薬入りのコーヒー牛乳を提供。それを飲んだ妻が娘を乗せて車を運転しようとしたことを認識したにもかかわらず、2人が死ぬことを狙い、あえて妻の運転を制止せず、妻に自動車を運転させ、意識障害等を起こした妻に新潟市南区の広域農道で交通事故を起こさせた。この事故で妻と娘が死亡しなかったことから、2021年9月には妻を殺害しようと当時、看護師として勤務していた病院から塩化カリウム10本を盗んだ 検察側がこう主張するのに対し、弁護側は… 弁護側: 渡辺被告が競馬投資の副業を始めるも詐欺だったことが分かり、約400万円の借金を負った。借金返済のため、妻の口座から無断で金を返済に流用したものの、妻には言えず、妻が銀行などに口座の確認に行ったりしないように、自宅で寝ていてもらおうと睡眠薬入りのコーヒー牛乳を提供した。カリウム10本を盗んだのも、妻との別居中に不倫相手との生活を経験し、その後、新築の家に妻と暮らした際に以前よりストレスを強く感じるようになり、妻を憎むようになったことから、「本当はいつでも妻に勝てるんだ」と精神的安定が欲しかったため。看護師だから塩化カリウムを使えば殺害したのが発覚するとは知っていた 睡眠薬入りの飲料を飲ませた時も、塩化カリウムを盗んだ時も殺意はなかったと主張した。