黒髪&ノーメイクはもう昔? 陸上インカレで聞いた、変わる女子アスリートのオシャレ事情「スタート前にみんな鏡でリップを…」
茶髪・メイク・ピアスなど個性豊か、時代を映す大学陸上界の変化とは
大学陸上に今、変化が起きている。9月19日から4日間、神奈川の等々力陸上競技場で行われた第93回日本学生対校選手権(日本インカレ)。大学日本一をかけた熱戦で印象的だったのは、メイクや髪染め、ネイルなどを施して出場する女子選手が多く見られたこと。かつて女性アスリートは「黒髪&ノーメイク」が当たり前の時代もあったが、ここ数年で様変わり。“オシャレ”の自由度は大学によって異なるという。「THE ANSWER」は現状や競技に与える影響を各校の選手たちに聞いた。 【画像】「自分が一番気に入る姿でいたい」 メイクに加え、ネイルも華やかにしたスプリンターの写真 ◇ ◇ ◇ 大学日本一を決める日本インカレ。トラックやフィールドには、メイクや髪染め、ネイルなどを施し、華やかな装いで競技に挑む女子選手の姿が印象的だった。 女子4×100メートルリレーで連覇を達成した強豪・甲南大は自由度の高い大学のひとつ。選手たちにはメイクやネイルはもちろん、耳にはピアスも光る。選手の一人は「部のことは学生主体でやっていて、その分、髪の毛やネイルは自由にやらせてもらえる」と話す。 これは、最近の大学陸上の変化といえる。高校はメイクやヘアスタイルが規制されることが多く、今大会に出場した選手たちに高校時代について聞くと、「部則で禁止だった」「部則で絶対にショートカット」「眉毛を描いてリップを塗っている子がいたくらい」などの声が大半。「校則で決まっていたから自ずと禁止」と言う通り、教育上ルールが存在する高校の特性もあるだろう。 大学はある程度、個人の意思が尊重される。「(一般的に)大学生になったら女の子はメイクをする子が多い。その風潮」とある選手は言う。「黒髪必須」「暗めの茶髪まではOK」「髪色はその年の4年生が決める」「OB、OGから(注意を)言われる。金銭面で支援をしてもらっているから(意見は)言えない」などの事情で制限する大学はあるが、近年は緩和されるケースも目立つ。 そのひとつが、創部110年の歴史と伝統がある早大。部員によると「今春からナチュラルなメイク、ネイルは許可されている」といい、自由度が高まった。そうした全体の流れもあってか、ある選手の「スタート前にみんなが鏡を見てリップを塗っていた」という証言はある意味、時代を反映するものかもしれない。 女子大生はオシャレに敏感になる年頃。制限があることについては様々な声が上がった。「制限がなければ、明るい髪色で大会に出ている」「パーマはOKで、髪染めとの違いが分からない」「髪色は明るくて良いと思っているけど、線引きは難しい」という本音から「見栄えとして暗い方が良いと思う」「染めたい欲がないからあまり気にしていない」という感想まで。 なかには「オシャレをしたかったから部則が自由なところに入った」と、部のルールが大学選びに影響する場合もある。