【有馬記念 俺のチェックポイント】この秋、連続2桁着順のブローザホーン ガラリ一変、春秋グランプリ連覇はあるのか? 可能性を探った
有馬記念の「俺のチェックポイント」初日は、大阪サンスポの増本隆一朗記者がブローザホーンに注目した。近2走は2桁着順と実力を出し切れていないが、大一番に向けて状態は最高潮。2020年クロノジェネシス以来となる、同一年の春秋グランプリ制覇がありそうだ。 【写真】宝塚記念でGⅠ初勝利を決めたブローザホーン GⅠ馬10頭がそろった今年の有馬記念。ドリームレースにふさわしい顔ぶれで取材にも一段と熱が入る。この日、注目したのはブローザホーン。上半期のグランプリ宝塚記念では◎に推して、大変おいしい思いをさせてもらった。近2走は2桁着順と結果が出ていないが、年の瀬の大一番で巻き返しの可能性がないかチェックしたい。田嶋助手に現況を聞いた。 「今季で一番いい状態。きっちり有馬記念に向けて仕上がりましたね。勝ちたいです」 想像以上のトーンの高さに、ペンを握った手に力が入った。秋初戦の京都大賞典は1番人気に推されながらまさかの11着。「休み明けでボーっとしている感じがありました」と振り返る。叩いて状態は上向きだったジャパンCは中団から伸びきれず12着に終わったが、「東京のヨーイドンの瞬発力勝負では、分が悪かったです。それでも自分の脚は使えていました」と悲観の色はない。 この中間は4日から順調に乗り出しており、実質的な最終追い切りだった14日の栗東坂路では4ハロン52秒6。ゴール前でムチが入る熱のこもったリハーサルを行った。「攻め駆けしないタイプだけど、動きはよかった。意識的に体を大きく動かすようにしており、トモ(後肢)がパンプアップしている感じがします」と上昇ムードを伝える。 中山芝2500メートルは2戦2勝で舞台替わりは間違いなくプラス。小柄ながらスタミナがあるので、器用さが問われるトリッキーな条件は合う。「絶好の舞台ですね。年を重ねて落ち着きが出てきているので、距離が長くなるのはいいと思います」とうなずいた。 舞台替わり&今の気配なら変わり身があってもおかしくない。「この馬の強みはどんな馬場状態でも同じ脚を使えるところ。土曜日は雨予報も出ていますし、天も味方してくれれば」。最後まで前向きな話に、史上12頭目となる同一年での春秋グランプリ制覇の可能性を感じた。(増本隆一朗)