神村学園が2‐1で神戸弘陵との接戦を制す 決勝点のMF名和田我空、悔しさをモチベーションに
第102回全国高校サッカー選手権の3回戦が1月2日に行われ、神村学園と神戸弘陵が対戦。神村学園が、準々決勝に進出した。 【フォトギャラリー】神村学園 vs 神戸弘陵 執拗かつ素早いプレスと縦に速い攻撃が特長の両チーム。前半、神戸弘陵は13分FW10北藤朔(3年)が、27分にはMF8木津奏芽(2年)が決定機を作るも決められなかった。それ以外は総じて、五部分の展開。このまま続くかと思われたが、後半、早速ゲームが動いた。 後半2分、神村学園は左サイドDF15吉永夢希(3年)のクロス。これを神戸弘陵GK12歌野裕大(2年)がクリア。このこぼれ球をMF20新垣陽成(2年)がシュート。これを再びGK12歌野が弾くが、MF20新垣が押しこみ、神村学園が先制。 追いつきたい神戸弘陵は4分、FW9馬場悠平(3年)がシュートを打つも、相手DFにかきだされてしまう。しかし、6分、コーナーキックでFW11石橋瀬凪(2年)が頭で押し込み、同点に追いついた。 一進一退の攻防が続くなか、31分、神村学園、コーナーキックの流れからMF 14名和田我空(2年)が右足で決め、追加点。残り時間、猛攻に耐え抜いた神村学園が接戦を制し、準々決勝進出を決めた。 勝った有村圭一郎監督。8強進出にもいまひとつ浮かない表情だったのはシュートゼロで終わった前半の出来の悪さ。 「研究されていたので、なかなか攻められず、相手のブロックを崩せなかった。そのなか、前半は後ろで回してばかりなので、『それでは決着はつかない』と伝え、後半、送り出した」とかなり苦しめられた。しかも前半、神戸弘陵に2度、決定機を作られたのだからなおさらのこと。 後半に向け、メンタルではトライし続けることを、戦術面ではサイド攻撃の活性化を促した。これが奏功し先制点が生まれるわけだが、すぐ神戸弘陵に追いつかれ、拮抗した試合に。 このゲームに決着をつけたのが2戦連発のMF14名和田。 「(相手の)左サイドは脅威だった」と話すように、かなりやりづらさはあったが、最初で最後の絶好機を見事、モノにした。「(ゴールシーンは)かわした時点で冷静だった。相手がたくさんいたので、逆サイドを狙った」という落ち着きぶり。 その名和田、2回戦・松本国際戦では先制点をあげ、両チーム最多の4本のシュートを放ちながらも、後半29分でベンチに下がった。その悔しさを神戸弘陵へのモチベーションにした。 MF14名和田は「交代になった理由があったので、考える時間を作れた。きょうは最後まで、ピッチに立てたのも得点を求められてのものなので、ゴールできてよかった」と笑顔を見せれば、有村監督は「本人も警戒されて、あまりいいパフォーマンスを出せていないと観ているかたも思われたかもしれない。ただゴール前での質や存在感はある。試合を決めるため、80分間、彼を置いているので、ちゃんと仕事はしたかなと感じる」と評価した。 次の試合でもMF14 名和田の活躍に期待できそうだ。 なお準々決勝に駒を進めた神村学園はあさって4日、ベスト4をかけて、近江(滋賀)と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)