1970年「大阪万博」から約半世紀を経て“人間洗濯機”が復活!?「サイエンス」が世界へ!
今回は、「"メード・イン・ジャパン"復権へ!~万博で甦る人間洗濯機~」。 1970年に開催された「大阪万博」は、戦後の苦難を乗り越え、高度経済成長の真っ只中で迎えた明るい未来の象徴だった。しかし今、ジャパンブランドは陰りを見せ、日本からかつての明るさは消えてしまった。 そんな中、日本が未来に向けて生きる道を示す、2025年「大阪・関西万博」は、建設の遅れや費用の上振れなどの課題を抱えながらも、開幕まで500日を切った。 今回の万博で、日本は再び、世界を驚かすことができるのか。今こそ本物の“メード・イン・ジャパン”を見せるチャンスだと立ち上がった人々を追う。 【動画】1970年「大阪万博」から約半世紀を経て“人間洗濯機”が復活!?
「ミライ人間洗濯機」を開発せよ!「心も洗う」は実現できるか?
1970年、戦後復興から抜け出し、高度成長時代の絶頂期を迎えた日本で、「大阪万博」が開かれた。世界77の国と地域が参加し、来場者は約6400万人。会場ではさまざまな展示が催された。 アポロ宇宙船が持ち帰った「月の石」や、今では当たり前となった「動く歩道」や「携帯電話」など、大阪万博で初めて知った世界の人々は、胸を躍らせた。
中でもひときわ注目を集めたのが、「三洋電機」が手掛けた「人間洗濯機」だ。家庭用のお風呂すら十分に普及していなかった時代に、超音波を用いて自動で身体を洗うなど、当時の技術の粋を集めて開発された。
8月19日。「イオンモール京都桂川」では、「ミラブル」というシャワーヘッドを使った催しが開かれていた。お客さんの手に書いたのは、油性のマーカー。普通、お湯だけでは洗い落とせないが、個人差はあるものの、軽くこするだけで簡単に落ちる。 発売から5年で130万本以上を売り上げた「ミラブル」。吹き出し口は、1秒間に2000回転の渦を作り出し、水がここを通過すると、無数の泡が生み出される。 この微細な泡をウルトラファインバブルと呼び、1ミリの1000分の1未満で毛穴に入り込み、汚れや臭いを取り除いてくれるという。
ラードを付着させた皿を「ミラブル」と普通の蛇口を使い、同じ水圧で洗う実験では、約50%の節水効果が見込めたという。交換式のシャワーヘッドの価格は4万円台からだが、ある男性は「嫁にきれいになってほしい」と、その場で購入を決めた。 「ミラブル」を製造・販売する「サイエンス」(大阪市淀川区)は、2007年に創業。「サイエンス」の泡の技術はさまざまなところで使われており、売上高は約50億円にのぼる。