気分はオリンピアン?夜のパリを駆け巡るぜいたくな時間。 五輪男女マラソンの合間に開かれた異例の市民ラン。参加した記者が感じたこと
喉の渇きを感じ始めた6キロ地点。タイミング良く補給所が現れる。コップは紙ではなくプラスチック製。少し先にいるスタッフが空のコップを受け取る仕組みだった。路上に散乱することはなく、環境に配慮するというパリ五輪の理念が垣間見えた。 コースは後半にさしかかる。エッフェル塔に近づくと、ちょうど1時間に1回ぴかぴかと光る「シャンパンフラッシュ」のタイミングだった。夜の名所を巡るというぜいたくさに拍車がかかる。 最後はナポレオンが眠るアンバリッド(廃兵院)へ。約1時間の旅はあっという間に終わり、記念のメダルをもらった。 ▽「応援が力になる」を実感 スタートからゴールまで沿道の人だかりが途切れることはなかった。警備する警察官までも「頑張れ」と声をかけてくれた。「応援が力になりました」。この五輪中、何人ものトップアスリートが試合後に語った言葉を、畏れ多くも実感した。 そして心地よい疲れの中、少し思った。こんな夢見心地を味わえるなら、やっぱりフルマラソンでも良かったかもしれない。