【MLB】 スカッグス事件の波紋 オーナーのモレノ氏が召喚状に応じず 今後トラウトらが証言の可能性も
2019年7月にエンゼルスの投手タイラー・スカッグスが死去した事件の波紋はまだ続いている。今週、裁判所はスカッグスの遺族がエンゼルスに対して起こした訴訟において、証拠開示を求める召喚状にオーナーのアート・モレノと球団社長デニス・クールが応じなかったと判決を下した。「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者がこの件を報じている。 【特集】2024年オフシーズンの移籍情報まとめ
2019年7月、当時エンゼルスでプレーしていたスカッグスが遠征先のテキサス州のホテルで急死。その死因は薬物の過剰摂取であり、スカッグスに薬物を提供していた元球団職員のエリック・ケイに対して2022年に有罪判決が下っていた。さらにスカッグスの遺族は、エンゼルスが球団内に違法薬物使用の文化があることを知っていたにもかかわらず、元職員エリック・ケイに選手との面会を許可していたと主張し、エンゼルスを相手取って訴訟を起こしている。 当初2023年に予定されていた裁判は、証拠開示をめぐる議論により大幅に延期されていた。スカッグスの遺族は、エンゼルス側が関連文書の提出や予定されていた証言録取を拒否していると主張している。そして、裁判所も複数の申し立てにおいて遺族側に有利な判決を下しており、エンゼルス側の裁判を遅らせようとする試みを回避しようとしていた。 今後、捜査はエンゼルスの球団内部にも及ぶと見られている。昨年12月、裁判所はモレノとクールの召喚状に応じなかったとの判決に加え、エンゼルス従業員77人までの携帯電話を回収し、関連情報がある可能性があるかどうか調べるという判決を下した。関連する文書はすべて2月1日までに提出しなければならないという。 また、エリック・ケイの裁判でそうであったように、今回の裁判でも選手が証言台に立つ可能性がある。ブラム記者によれば、裁判所の書類ではエンゼルスのスーパースターであるマイク・トラウトの証言も予定されているとのこと。トラウトの証言は1月16日に予定されており、トラウトはエンゼルスの球団カルチャーや友人だったスカッグスとの関係について質問されると見られている。