「ご苦労がわかるわ」と話しかけた百合子さま、長年にわたり和装文化の「扇の要」に
事前に質問状を送ると、百合子さまは皇室入り後につけていた日記や育児日誌を見返して、何があったかを確認して臨まれた。1回当たり1時間半~約2時間と長時間だったが、舟橋さんは「誠実に対応していただいた。記憶力の確かさに驚かされた」と振り返る。
百合子さまは装束や儀式など皇室の伝統についても話された。彬子さまが日本文化を伝える活動をライフワークにされていることから、「自然な雰囲気で話をされていた。孫に皇室の文化や三笠宮さまの事績を伝えたいという思いを感じた」と話す。
元東京女子大学長で、同大で歴史学の教べんを取っていた三笠宮さまの助手を務めた湊晶子さん(92)は、三笠宮さまが「百合子がいたのでここまで来られた」と何度も話していたことを覚えている。
湊さんは三笠宮さまと半世紀以上の親交があったが、常に百合子さまへの感謝の言葉を聞いていた。湊さんが三笠宮さまのネクタイを「すてきですね」と褒めると、「百合子が選んでくれたんだ」と喜んでいたことがあったという。
湊さんは「百合子さまが三笠宮さまから愛されていたのがよく分かった。とてもすてきな夫婦だった」と振り返った。