円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏
中国の経済モデルは持続不可能
クルーグマン氏はこのほか、中国の指導者が生産の代わりに消費需要を支えるため、政府支出を一段と活用することに「異様なほど消極的」だと述べるとともに、「中国側がリアリズムを完全に欠いているように見受けられる事実は、われわれ全てにとって脅威だ」と語った。
イエレン米財務長官が中国について、単に輸出を増やすことで苦境を脱することはできないと批判している点に、クルーグマン氏も同意する立場を示した。米欧では、中国が多額の補助金を用い、過剰生産した物品を外国市場で安く売りさばこうとしているとの懸念が再燃している。
クルーグマン氏は「中国が輸出したいと考える全てのものをわれわれは吸収することはできず、世界は受け入れない」とコメントした。さらに、「極めて不十分な」国内支出と投資機会の欠如を理由に、中国の経済モデル全体は持続不可能だとし、同国政府は生産増ではなく需要を支援すべきだと話した。
もう1人の著名エコノミスト、スティーブン・ローチ氏はブルームバーグテレビジョンに対し、最近の北京訪問の際に特に起業家や学生の間に悲観的なムードが感じられたと述べた。
モルガン・スタンレー・アジアの会長を務め、現在はエール大学で教えるローチ氏は「長年にわたり北京を訪れた際に慣れ親しんだ活気があまりないことに気づいた」とし、「悲観的な諦めムードと呼ぶのが最も妥当だろう」と説明した。
中国政府に助言を行っている著名経済学者の李稲葵氏はブルームバーグテレビジョンとの3日のインタビューで、今後数カ月にさらなる景気支援策が打ち出されるとの見通しを示した。
財政難に陥った地方政府は支出や成長促進の力を欠き、それを補うために中央政府の債券発行を増やすべきだとも語った。
原題:Krugman Says China Is ‘Bizarrely Unwilling’ to Boost Demand (2)(抜粋)
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