「たった1分で認知症の診断ができるアプリ」「世界の名医の手技をVRで学べる」…いま医療現場で進む「デジタル化」がすごすぎた!
学習速度や記憶に大きな効果が
ジョリーグッド社の医療用VRプラットフォームのコンテンツを使い、VRゴーグルをつけると、当事者目線で撮影された臨床現場の実写映像を360度に渡り見回せ、まるで現場で手術を行っている医師に憑依したかのような体験ができる。何度も繰り返し見ることもできるうえ、大学などの講義やセミナーで使用する際には、最大100台のVRゴーグルに同時接続が可能だ。 世界最大の国際会計事務所PwCの発表によると、VRゴーグルを使用した学習効果は、通常の講義の4倍も学習速度が上がり、大学などでの研究エビデンスでは、3倍記憶に残るという。 ジョリーグッドのビジネスプロデューサー、瀧本俊幸さんは、実際にVR教育を受けた学生たちの反応について、こう語る。 「医療VRプラットフォーム『JOLLYGOOD+』は、全国の医療施設・医療教育機関で制作された医療VRコンテンツの共有プラットフォームです。全てのコンテンツは各医療現場にて監修されているため、自らの施設では遭遇しづらい希少症例の学習にも活用いただけます。 VR教育を受けた学生からは、『臨床実習で実際の現場に立ち会う機会があっても、学生は離れた場所から見学しなければならないが、VRなら手術中の先生の目線で、近くて良い角度から手技を見ることができる。また、他のスタッフの対応も様々な角度から見られ、理解を深めることができます』という声を頂いております」 特定の名医にしかできなかった手技をVRを用いてスムーズに伝承できれば、外科医の学習機会の効率化に繋がり、高齢化社会で予想される外科医不足による医療現場ひっ迫の緩和に貢献できるだろう。 現在のところ、まだ実用化に向けて開発中のサービスが多いが、この先、急速に進むであろう医療のデジタル化に注目していきたい。
日下 千帆