「たった1分で認知症の診断ができるアプリ」「世界の名医の手技をVRで学べる」…いま医療現場で進む「デジタル化」がすごすぎた!
世界の名医の手技が学べるVR教育
近年、日本で外科医の減少が顕著になっている。その理由のひとつは、2015年から2025年にかけて医師の大量退職が始まり、この世代の医師に外科医が多かったこと。もう一つの理由として、日本外科学会のHPによると、外科医は専門資格を取得するのに時間がかかり、生涯労働期間が短いことや勤務時間が長くワークライフバランスが考慮されていないことなどが理由に挙げられている。 さらに、分野の細分化により学会数が増え、学術活動に費やされる時間が多いということも改善すべき点である。このまま外科医の減少が進むと、将来、必要な手術が受けにくくなる可能性が高まると言われている。 この問題について、日本医科大学付属病院の高度救命救急センター長で教授の横堀將司医師は以下のように話す。 「近年の働き方改革による就業時間の減少により、医師が手術や初期診療に長時間参加し、医療技術を習得することが難しくなってきております。また、医学生においても、緊迫した医療現場の最前線に身を置き自ら学ぶ機会を得ることは難しく、効率よく医療技術を学習する方策の構築が必要とされています」 実は、その問題に大きく貢献できるテクノロジーを開発する企業が都内に存在する。国内外の名医による手術動画が、いつでもどこでも視聴でき、外科医の教育の効率性、利便性を格段に向上させるサービスを提供しているという。 それが、VRテクノロジーを駆使して医療に貢献しようという株式会社ジョリーグッドだ。創業者の上路健介代表取締役は、元はテレビ番組の制作に携わっていたため、2014年の創業当初は、エンタメ向けのVR制作をメインにしていた。 しかし、2018年からジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社との共同開発をきっかけに医療VR制作へと舵を切り、現在、600本を超えるコンテンツを有している。VRゴーグルと聞くとゲームなどの娯楽に使われる印象が強いが、コンテンツにより、学習・教育に大きく役立つ使用方法もある。