年間賃料「5000万円」!? ゴルフ場の知られざる“借地事情”を調べてみたら運営に感謝の念が湧いてきた
借地を維持したり新たに獲得するのは一筋縄ではいかない
さらに飯島氏は「ゴルフ場の敷地の中に借地が含まれていることで弊害が生じる場合もある」と話します。 「借地の割合が増えれば増えるほど地権者へ払う賃料は高くつくので、そのぶんゴルフ場側も集客力をアップさせたりコストを抑えたりしなければなりません。ゴルフ場が位置する場所や交渉結果にもよりますが、だいたい年間で5000万円前後は支払っているケースが多いでしょう」 「また交渉のタイミングによって土地を貸してくれるかどうかや賃料も変わってきます。たとえばゴルフ場の建設ラッシュとなったバブル期は土地の値段が高騰したものの、ゴルフ場側にもそれなりの財力がありました。地権者もゴルフ場開発を快く受け入れ、多額の収入を得ていました」 「時代が変わったことで、新しいゴルフ場が計画されるとしても借地交渉がかつてのようにスムーズにいく可能性は低いと思います」 なかには地権者が何十人もいて、毎年のように全員と契約の更新などに関する会合をしなければならないゴルフ場もあるそうです。 ラウンド中に私有地と借地の区別はほとんどつきませんが、多くのゴルフ場には誰かから「借りている土地」が存在します。ゴルファーにはあまり馴染みがない話ですが、快適なプレーの裏には、開発前から繰り返されてきた、ゴルフ場と地権者との話し合いの歴史があるのです。
ピーコックブルー