「それは自殺未遂です」と言われて驚いた。踏切に突っ込んだ私が考えていたこと
ですが、そこで電車と接触事故を起こした時の迷惑や、もしケガどころではなくなってしまったらと思い、すんでのところで思いとどまることができたのです。ぎりぎりのところで、なけなしの理性が勝ってくれたんです。これをきっかけに私は精神科の受診を決意しました。
「それは自殺未遂です」と言われて驚いた
初診時に事の顛末を医師に伝えるわけですが、受診のきっかけについて語った時、医師からは「それは自殺未遂だ」と言われ、私は衝撃を受けました。そんなつもりは一切なかったからです。 私は「命にかかわらない程度のケガをすれば仕事に行かなくてよくなるんじゃないかと思っただけです」と言いましたが、「その考えこそ病的です」と断言されました。 思えば、有休だって残っていたし本来なら休むことだってできたはずでした。当時の私は極端な考え方になっていたし、視野も狭くなっていたと思います。健常な状態であれば「しんどいから休もう」と思うのが普通です。それが何か原因がないと休めないと思い込んでしまっていた、この考え方がうつ病の症状のひとつだったのかもしれません。 周囲も自分でも気づきにくい症状ですが、何か違和感をおぼえた時は自分の考え方を振り返ったり周囲と会話をしたりする事で気づくことができるかもしれません。 <文/織田繭> 【織田 繭】 製薬会社でMRを4年間経験。「自分がやりたかったことはこの仕事なのか」と疑問に感じ、悩んだ結果、幼少期からの夢だった「文筆家」を目指すことを決意し、退職。2021年にライターに転身
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