【バレー】春高バレー初出場:日本航空高石川(女子) 能登の地で結ばれた絆を力に「感謝を忘れず」大舞台へ
3人をはじめとした日本航空高石川の部員たちには、もう一つ、お互いの気持ちを一つにする存在がいる。京都府出身で、ただ一人の3年生であるマネジャーの岩井美彩奈だ。将来の職業として旅客機の客室乗務員を目指している岩井には、バレーボールの競技経験はない。だが、入学当初から「何か人の役に立てることを」と考え学校に相談をしていたところ、バレーボール部の創部が決まり、志願してマネジャーとなった。 激しくボールが行き交う練習中、テキパキとした動きでボールを拾うのはもちろん、ちょっとした表情の変化を見逃さず、気持ちをくみ取ってポジティブな声かけを行うなど、岩井の働きは文字どおりチームの支えとなっている。そんな岩井を「春高に連れていく」という思いが、部員たちの結束を強めた。 「みんな妹みたいです。無邪気な一面もあるけれど、試合になったらカッコいい姿を見せてくれたり、考え方もすごい。学校生活を通して大人になっている部分が多いので、自分より年上なんじゃないかなって、たまに思います」と語り、「春高の出場が決まって、みんなと過ごせる時間が少しでも長くなったことが何よりうれしい」と優しい笑顔を見せた。 石川、そして能登という地で結ばれた絆を、日本航空高石川の部員たちは何よりも大切にしている。ここに至るまで、さまざまな形で支えられてきた。「感謝の気持ちを忘れることなく、みんなでやっていきたい」。来春、一足先に卒業を迎える岩井マネジャーは、大舞台に向けて、ひときわ思いを込めてそう語った。 同校は大会初日の1月5日(日)、Aコートの3試合目(11時30分開始予定)で、津商高(三重)との1回戦に臨む。 文/村山純一(編集部) 写真/石塚康隆(NBP)
月刊バレーボール