プリンスリーグ四国以来の再戦は徳島市立が帝京第五に終盤逆転勝ち!
6月15日、香川県高松市の香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場で、今年から福島県楢葉町のJヴィレッジ開催となる全国高等学校体育大会(サッカー競技)男子出場権を手にした四国4県・高校総体サッカー競技大会(男子)の優勝校と、あと一歩で涙を呑んだ計8校が集い3日間連続開催となる「第73回四国高等学校サッカー選手権(男子)」が開幕。大会初日は各県1位校と各県2位校が対戦する1回戦4試合が行われた。 【フォトギャラリー】帝京第五 vs 徳島市立 香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場サブの第2試合では、10大会連続22度目のインターハイ出場を決めた徳島市立(徳島1)と帝京第五(愛媛2)とが対戦。両校はすでに今年、JFAプリンスリーグ四国・第2節で対戦しており徳島市立が帝京第五を2-0で下している。 両校のスタートフォーメーションは以下の通り。徳島市立はダブルボランチを配した「4-4-2」。スターティングイレブンはGKに1李ハソン(2年)。4バックは右から2藤川琉偉(3年)、3桝田侑汰(3年)、4森田颯佑(3年)、14松山哲也(2年)。中盤はダブルボランチがキャプテンの6上田寛大(3年)がDFラインに近い位置、7山口凛太朗(3年)がその前に入り、右サイドハーフには7岸大介(3年)、左サイドハーフに8原水智弘(3年)。2トップは10鈴木悠哉(3年)と11岡快吏(3年)である。 対する帝京第五は[5-2-3」。スターティングイレブンはGKはキャプテンマークを巻いた1山田楓羽(3年)。フラットに並んだ5バックは右から2大原光貴(3年)、5和田大輝(3年)、17藤嶋留衣(3年)、8大井優哉(3年)、4船田星翼 (3年)。ダブルボランチの中盤に10大村航翔(3年)と6長田琉太(3年)。3トップはシャドー気味に15氏川響(3年)、14鈴木凜陸(3年)が構え、頂点には9鈴木凜陸(3年)が入った。 試合を通じてポゼッション率は徳島市立が圧倒する状況。が、それそらも織り込み済の帝京第五・植田洋平監督は、ポジションの概念を排除し相手に対抗できる選手を適材適所に配置。さらに接点で闘い、奪えば「運ぶ」ないし、もう一度接点を作り出すパス、動きを徹底。そしてセットプレーではデザインプレーを駆使。 まさに植田監督の現役時代、国見(長崎)で恩師だった小嶺忠敏監督(故人)が黄金時代に好んで用いていた戦術戦略で自らのペースを創出した彼らは前半アディショナルタイムに左サイド15氏川の放ったロングスローのこぼれ球に対し5和田が低く、強いミドルシュートを決めて先制すると、後半も選手交代を効果的に用いての堅守速攻で、徳島市立に何度も冷や汗をかかせた。 が、徳島市立は後半に入ると左サイドMFの12平尾海斗(2年)などフレッシュな選手を次々と投入し反撃の機会をうかがうと、ついに68分にはロングカウンターから最後はエース10鈴木がPA内やや右側から逆サイドネットを狙いすましてのシュートを決め同点。さらにアディショナルタイムには12平尾の左サイド突破から10鈴木があげたクロスに2藤川が頭で沈めついに逆転。「もっといろいろなことをやらないと勝てないことに気付かされた」(河野博幸監督)徳島市立は帝京第五から得た収穫と課題を糧に、まずは準決勝・尽誠学園(香川県1位)戦に集中し前回大会に続く四国王者獲得を目指す。 (取材=編集部)