京セラ、保有するKDDI株を縮減へ-5年間で3分の1程度売却へ
(ブルームバーグ): 京セラは30日、保有するKDDIの株式について、今後5年間で3分の1程度を売却する計画だと発表した。KDDI株を担保とした借り入れに加え、売却も資金調達手段として必要であるとの判断を受けて決定した。
京セラはKDDIの前身の一つである第二電電の設立に関わった。ブルームバーグのデータによると、京セラはKDDI株の16.08%を保有する。時価総額を元に試算した場合、仮に5%を売却した場合には5000億円規模となる。
京セラの発表によると、売却後も継続的な縮減を検討しているという。第二電電設立以降、両社の事業状況も大きく変わっており、株式の保有について再考すべき時期にきているとした。
京セラのKDDI株を巡ってはへッジファンドのオアシス・マネジメントが全株売却を求めていた時期があるほか、京セラ創業者で第二電電の設立に大きな役割を果たした稲盛和夫氏が2022年8月に90歳で死去していた。
コーポレートガバナンス(企業統治)改革などを目的に政策保有株(持ち合い株)を解消する動きは広がっている。KDDI株を巡っては、トヨタ自動車が今年、KDDIが実施する公開買付けに応募する形で保有する同社株の一部を売却することを発表していた。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Natsuko Katsuki