「日本が北朝鮮と水面下で接触」の一報、「汚物風船」に悩まされる韓国にとっては進展してほしくない悪夢
■ 日朝交渉再開は尹錫悦政権にとって思ってもみなかった「逆風」 一方、日朝交渉が進展すればするほど、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の「対北朝鮮圧迫」「対日宥和」という外交政策に対する韓国内での批判は高まることになるだろう。 北朝鮮はロシアとの密月関係を深める一方、今年10月の中朝国交正常化75周年を機に中国とも首脳会談を実現する可能性が高いと見られている。韓国メディアは、「その状況の中で、日本までもが北朝鮮と首脳会談を実現してしまえば、朝鮮半島問題で韓国だけが蚊帳の外に置かれてしまう」という危機意識を強く持っているのだ。 米国が日朝首脳会談に対して前向きな立場を取るのとは違い、朝鮮半島問題の当事者である韓国としては、口では「支持する」というものの、内心では韓国を素通りする日朝首脳会談を歓迎することはできない。 尹錫悦政権発足後、韓国と北朝鮮はホットラインがすべて途絶えた状態で、日増しに険悪になっている。最近は北朝鮮が飛ばした汚物風船(汚物とゴミを積んだ風船)をめぐって強く対立し、一触即発の緊張が高まっている。 このような状態で、北朝鮮と日本が電撃的に首脳会議でも宣言することになれば、それこそ、朝鮮半島で韓国は八方塞がりのような不安にさらされる。尹錫悦大統領としては、絶対に見たくない「悪夢」に違いない。
李 正宣