【日本市場にジャストサイズのレンジ】 ランドローバー・レンジローバー・イヴォークPHEVに試乗
PHEVシステムの設定は?
PHEVシステムは、モーター走行が主体になるように設定されている。一般道を走っている限りでは、ガソリンはまったく減らないがバッテリー残量はみるみる減っていく。 走行モードをハイブリッドモードにしていると、エンジンがかかる機会はほぼなかった。 バッテリーの残量が残り4kmしか走れなくなったところで、バッテリーキープモードに切り替える。するとエンジンがかかる機会が大幅に増え、その動力は走行と発電に使われるようになった。 モードはキープとなっているのだが、おもしろいことにバッテリー残量は増えていき、試乗を終えるころには残り走行距離が11kmになっていた。ある程度チャージもしてくれる、キープモードのようだ。 モーター主体の走行で気になった点は、出だしの加速感が少し弱く感じたこと。アクセルレスポンスが鋭くないという点では、レンジローバーのPHEVも同じような味付けだったので共通の設定なのかもしれない。 国産車のようにちょっとアクセルを踏んだだけでグンっと加速するセッティングよりははるかに危なくなくていいのだが、少々気になる人もいるのでは? というレベルの控えめな加速感だった。
高額さも納得できる背景
乗り心地もちょっと気になる点があった。車重の関係もあるのだろうか、少々サスペンションのセッティングが硬めなので、ヒョコヒョコ跳ねる感覚がある。 大きな入力が入るとガンッと衝撃がくるので、お世辞にも乗り心地がいいとはいえないかもしれない。しかし、先述のとおりシートの出来がすばらしいので、身体にまでは直接的に衝撃が伝わりにくいのがいいところ。厚みのあるシートが、乗り心地を補っているように感じた。 レンジローバーに限らず、昨今のクルマはどんどん大型化しているので、正直レンジローバーブランドのクルマでは日本の道は狭すぎると感じる場面が多いだろう。 しかし、この唯一無二ともいえるモダンラグジュアリー感が味わえるのはレンジローバー最大の魅力。そういった点では、大きさも含めこのイヴォークは日本の道に一番合っているレンジローバーともいえる。 ブランドのエントリーモデルであると同時に、ただ単にサイズが小さくなった高級SUVと考えれば、多少の高額さも納得できる。 ほかのプレミアムブランドと比べても、ラグジュアリー感と悪路走破性をこれだけ高次元でバランスさせたコンパクトSUVはなかなか存在しない。 それは乗り込んだ瞬間にわかる上品なデザインや、シートの座り心地だけでも感じられるはず。それだけ魅力があるモデルだといえるだろう。