アマゾンの膨らむキャッシュ、株主還元に期待の声-株は最高値に接近
ただ、アマゾン株は最高値に接近しているとはいえ、米国の大手ハイテク企業5社の中で最高値を更新していないのはアマゾンだけだ。例えば、マイクロソフトは21年に付けた高値を約20%上回っており、メタは同年のピークから30%余り上昇している。
クリアブリッジ・インベストメンツのシニア・リサーチ・アナリスト、ナビーン・ジャヤスンダラム氏は、アマゾンが今年中に数百億ドル規模の自社株買いを発表すると予想しているが、配当の可能性は低いとみている。
同氏は「アマゾンは自身のことを、アルファベットやメタに比べて成長サイクルが早いと考えていると思う。しかし、今後4、5年のうちに配当があるかもしれない」と語った。
アマゾンは今月、1ー3月(第1四半期)決算を発表する予定だ。同社はまだコスト削減を続けているとはいえ、投資が必要な分野も多い。AI関連のデジタルサービスに対する爆発的な需要を見込んで、今後15年間でデータセンターに1500億ドル近くを投じる計画だ。
ヘリウム・アドバイザーズのサイラス・アミニ最高投資責任者(CIO)は、この種の支出はアマゾンが競合他社から自社の領域を守る上で不可欠であり、資本還元よりも優先されるべきだと主張。「アマゾンが自社株買いを実施しても失望はしないが、驚くだろう。アマゾンはなお成長の途上にあり、自陣を守るために支出を続ける必要がある」と述べた。
原題:Amazon Investors Eye Bigger Returns With Cash Pile Growing(抜粋)
--取材協力:Matt Day、Subrat Patnaik.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Jeran Wittenstein, Ryan Vlastelica