求めたのは想像を超えた編集

『透明なわたしたち』編集：松岡勇磨、松本優作監督

Q：これまで松岡さんは映画やドラマの編集経験はなかったとのことですが、今回なぜ松岡さんを編集に指名されたのでしょうか。 松本：松岡さんとは歳が近くて感覚も近かった。以前、Hey! Say! JUMPのMVでご一緒したときは、担当者からの修正希望が一切なかったんです。修正が無いなんて初めての経験でしたし、松岡さんには良い印象しかありませんでした。 ドラマや映画をやっていると、それに長けている編集者の人は良くも悪くも“型”にハマってしまい、想像通りの編集が上がってくる。もちろん悪くはないのですが、僕の想像を超えてくる方に編集してもらった方が面白いだろうなと。松岡さんは僕の視点とは違う感覚で編集してくるので、とても新鮮でしたね。 松岡：新鮮なところがありましたか？ 松本：バンバンありました（笑）。 松岡：僕はできる限り“型にハマりたい”と思ってやっているのですが（笑）。 Q：ドラマや映画の経験のない編集者ということで、プロデュース側からの懸念はありませんでしたか。 松本：心配されていたとは思います。しかも今回は納期がタイトで、編集スケジュールも結構詰まっていた。それでも僕を信頼してくれて、僕がやりたい人とやらせてもらえました。 Q：松岡さんは最初に声が掛かったときはいかがでしたか。 松岡：震えましたね（笑）。チャレンジだなと思いつつも、ちゃんと自分が満足のいくものに仕上げることができるだろうかと。それを最初に感じました。ただ、乗ってしまえば、もう乗り切るしかない。とにかく頑張ろう！と。 Q：普段はCMやMVの編集がメインですが、ドラマや映画をやってみたい気持ちはあったのでしょうか。 松岡：日常の仕事では映画やドラマの近くにはいなかったので、あまり想像はしていませんでした。お声がけいただいたときは本当に驚きましたね。松本監督とのMVでの仕事でも実際に一緒にいたのは2日間だけですし、そんなに深い仲になった印象もありませんでした（笑）。今回の話をいただいたときは本当に鳥肌が立ちましたね。 Q：馴染みのスタッフという間柄かと思っていました。 松本：今回がまだ2回目なんです（笑）。