「最後は気合いで乗り切った」石井さやかが東レPPOベスト8入り! 名コーチも目を見張る“スピードへの対応”<SMASH>
東レPPO2回戦のゼイナップ・ソンマスとの一戦で、石井がそこまで疲れた訳は、「頭脳」にもあるようだ。試合後、今季から石井のツアーコーチを務めるネビール・ゴドウィンに、勝利の鍵を問うと「スピードへの適応だ」と即答した。 「試合の序盤は、相手のボールのペースに付き合ってしまった。そこから自分のペースも少し変え、調整し、そして最後は自分のリズムで攻められるようになった。とても頭を使っていた。さやかは、もの凄くスマートにプレーした」 それが、ケビン・アンダーソンや、チョン・ヒョンらをトップに引き上げた手腕を誇る、ツアーきっての名コーチの採点。なおゴドウィンは、ここ半年ほどの石井の最大の成長を、「メンタリティと、コート上での所作」だと言った。その背後にあるのは、石井のポテンシャルに対する絶対的な信頼。 「彼女は特別な才能を持っている。さやかは、欧米の大柄な選手相手にも打ち勝てる」というのが、名コーチの石井評だ。 2回戦の試合中に取ったメディカルタイムアウトの理由は、ケガではなく、体調面的なものだという。 次の試合までに、心身のエネルギーはどれほどリチャージできるだろうか? 3回戦で石井が当たるのは、世界16位のディアナ・シュナイダー。20歳のシュナイダーは、石井世代のフロントランナーとも言える、既にツアーの常連だ。 連戦の疲れがあるのは、長いシーズンを戦ってきたトップ選手たちも同じ。シュナイダー戦は、石井の進化と真価が問われる、楽しみな一戦になる。 取材・文●内田暁