ドライブ中の車に落雷、電子機器壊れる 自動化・電動化進み火災や誤作動の危険も
ドライブ中の車に雷が落ちた瞬間がとらえられました。専門家による調査で明らかになったのは、電動化が進む交通社会への“雷の脅威”です。 自動車に雷が落ちた瞬間のドライブレコーダー 専門家が詳しい状況を解説 8月中旬。雨の中、岐阜県内の堤防道路を走る車のドライブレコーダーの映像。進行方向の空を覆う黒い雨雲。次の瞬間ーー。 "ドン"という音とともに、フロントガラスに広がる光。運転中の車に雷が落ちた瞬間です。 「光と音が一番印象的でした。ホーンが勝手に鳴って、ハザードランプが勝手についている状況。電子系の各ユニットが暴走しちゃっているような状態だった」(落雷被害に遭った男性) 落雷の直後、エンジンは止まり、車の操作がしづらい状態に。 「アクセルを踏んで反応がなかったので、メーター周りを見た。できるだけ路肩の広い所に寄せようと、惰性で動いたが見当たらず、一車線塞ぐ形になりました」(落雷被害に遭った男性) 警察に交通整理を依頼した男性。家族とのドライブ中でしたが、全員けがはありませんでした。 当時の天候を振り返ると、現場周辺には台風の影響で雨雲が流れ込んできたところで、雷も頻繁に観測されていました。
雷が落ちやすい部分は
落雷被害にあった車は、修理工場に保管されています。エンジンはかかりますが、動かすことはできません。見た目はどこも壊れていないように見えますが…。 「アンテナには落ちるんですよ。すごく」(中部大学工学部 山本和男教授) 雷による事故対策などの研究を専門とする、中部大学の山本和男教授。落雷の被害にあった車の調査を先月行いました。 「フロントガラスの中に埋め込んでいるアンテナめがけて(雷が)入ろうとすることも。一番多いのはルーフ」(山本教授) もう一度、落雷の瞬間の映像を見てみます。 右側にあるアンテナが何らかの衝撃を受けたのがわかります。アンテナには塗装などが溶けて剥がれた様子が見られました。このあと雷のエネルギーはどこへ行ったのでしょうか。