1月6日から「寒の入り」である『小寒』。1年でもっとも寒さが厳しいこの時期に弱りやすい身体の部分とは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「小寒(1/6~1/19頃)」です。 【イラスト】この時期の養生のポイントは… * * * * * * * ◆小寒(しょうかん) 1/6~1/19頃 新年明けて最初の節気。 寒さが厳しくなってきて、小寒の「寒の入り」から立春の「寒の明け」までの期間のことを、「寒の内」または「寒中」と言います。 1月7日には七草粥を食べる人日(じんじつ)の節句、1月11日には鏡餅を下ろして食べる鏡開きがあります。 養生面では、年末年始で疲れた胃腸をいたわるためにも、“小食”を心がけて、胃腸とこころを休ませてあげたい時期です。
◆中医学的 小寒の暮らしかた ・心と身体の状態 1年のスタートとなる節気ですので、心新たに、晴れやかな気持ちで新年を迎えていることでしょう。小寒から立春(2月4日頃)までの約1か月間は、1年でもっとも寒さが厳しい時期。 いわゆる「寒の入り」とされ、めでたい松の内ではありますが、昼は短く、太陽の光から得られる「陽気」は不足しがち。 加えて、寒さからますます五臓(注)の腎に負担がかかります。周囲の新年の活気とは裏腹に、寝つけない、頑張れない、という悩みを抱く人もいるかもしれません。 一方で腎が元気な人にとっては、どんどん栄養を蓄え、さらに元気にさせていける時期。体力の回復を図れる季節です。 (注)中医学の考えで、「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたります。 ・起こりやすい不調 年末年始に美味しいものを食べすぎて、胃腸が疲れがちなこの時期には、食欲不振・下痢・軟便・吐き気などの胃腸のトラブルがよく見られます。 なかには、空腹感を感じない・味がしない・食べるとすぐ眠くなるといった症状も散見されますが、いずれも、胃腸が弱っている証拠です。 また、大気中の「陽気」が足りなくなるため、とにかく疲れる・寝ても疲れが取れない・口数が少なくなる・気分が落ち込みやすいといったメンタル面での不調も出やすい頃です。胃腸の弱りが、そんな精神的不調に追い打ちをかけることもあります。
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