1月6日から「寒の入り」である『小寒』。1年でもっとも寒さが厳しいこの時期に弱りやすい身体の部分とは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
◆養生 小寒の養生キーワードは「小食」! 胃腸のトラブルはメンタル面の不調へとつながりますが、逆もまたしかり。胃腸を健やかに保つことで、気分の思い悩み、落ち込みやすいといった症状から、解き放たれることができるのです。 まずは胃腸を休ませることが何より大切なので、できればお粥や野菜スープといった、あえての小食を心がけてみましょう。 ただし、「お正月の残りの餅で、さっぱりと雑煮でも!」はいけません。元気な人のエネルギー補給剤としては優れている餅ですが、胃腸が弱っている人・ニキビやアトピーがある人・肌が赤く炎症を起こしている人には向いていないのです。 よく餅の入った「力うどん」は「元気が出る」と言われますが、これはひとえに“腹持ちが良く、消化しづらい”ため。年末年始の弱った胃腸には負担になりやすいだけでなく、炎症作用があるので肌の弱い人にも要注意です。“元気が出ないから”といった理由で餅を食べている方はお気をつけください。
◆中医学的 小寒の旬のもの ・旬の食材1 タラ 魚へんに「雪」と書く鱈(たら)ですが、その由来は「身が雪のように白いから」とも「雪の降る季節によく捕れるから」とも言われ、産卵期となる冬は白子も美味です。おせちに必須のかまぼこなど、練り物の原料としても使われる魚。 肝・腎・脾に良く、血(けつ)(注)を補い、お酒を解毒するので、疲れやすくて息切れしやすい人や、正月にお酒を飲みすぎたという人にもピッタリ。 おすすめの調理法は、蒸す→煮る→焼く、の順。揚げ物は胃腸に負担がかかりますので、養生のために食べるなら、ホイル焼きや煮付け、また、この時期は鍋に入れて食べると身体が温まっていいでしょう。 (注)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。 ・旬の食材2 昆布 「解毒といえば昆布」と言うほど、解毒剤として優秀な食材。加えて、硫黄以外のすべての必須ミネラルを補給できるんです。 こもった熱を取り、身体の水はけを良くするので、むくみやすい人・便秘・肥満などに効果があります。ただし、甲状腺疾患のある人は、摂りすぎに注意が必要です。 ・旬の食材3 みかん 冬の代表的なフルーツであるみかんは、食欲を促し情緒を安定させて、潤いを補給してくれます。涼性なのでこもった熱を取る力もあり、“こたつでみかん”は、まさに理にかなっているというわけです。 乾燥させたみかんの皮は「陳皮(ちんぴ)」といって、気をめぐらせる代表的な生薬でもあります。お湯に入れたり、緑茶に加えたりして、香りを楽しみながら飲んでみてください。 ※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
櫻井大典,土居香桜里
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