「日本はUFOのホットスポットだ」アメリカ国防総省がまじめに指摘 日本政府はどう考えている?「想定外」を議論する必要性
今年8月、アメリカ国防総省のある部署が開設したウェブサイトに、衝撃的な情報が掲載された。 【写真】UFO似の雲が話題、トルコ 巨大な円形重なる
ひと言で言えば、「日本は『未確認異常現象』(UAP)報告のホットスポット」だというのだ。 UAPとは、ごく簡単に言い換えれば未確認飛行物体いわゆる「UFO」などの総称。つまり「日本はUFOの目撃例が多い」に等しい。正直言って驚いた。私はUFOに遭遇した経験など一度もなく、存在すら信じてこなかった。ただ、アメリカの政府機関が真面目に公表した情報だと考えると、軽々しく「まゆつばだ」と切り捨てるのもどうかと思った。 もやもやしながら考え始めると、次々に疑問が浮かぶ。なぜ日本なのか?UFOが飛来しているのなら、日本政府は今までどう対応していたのか?同盟国のアメリカ政府の報告を、政府はどう受け止めているのか? そこでUFOを巡る国内事情や、政府対応などを調べてみた。すると、アメリカ軍が識別不能な物体を実際に撮影し、日本に遭遇時の「対処方針」が存在するなど、驚くべき実態が分かった。詳細に入る前に、現在の率直な心境を記したい。「今まで『UFO話は怪しい』との固定観念に縛られ、深く考えてこなかったことを反省している」(共同通信=中田良太)
▽UFO報告は合計800件 報告書を掲載したアメリカの政府機関は、「全領域異常対策室」(AARO)。2022年7月に発足し、サイトでこう宣言している。 「(UFOなどについて)厳格な科学的手法とデータに基づいて解明に取り組む」 このサイトによると、UAPには水中の物体なども含まれる一方で、「宇宙人の乗り物」などとは書かかれていない。判別できないものは広く対象としている。 アメリカ政府は、いわゆるUFOなど空中の未確認現象について、情報機関を統括する国家情報長官室が今年1月、2022年の年次報告書を公表している。それによると、AAROに寄せられた分も含め、2022年8月末時点で合計510件の報告があった。このうち、日本が何件含まれるのかは不明だ。 報告例のうち、多くはアメリカ海軍や空軍のパイロットらが、任務中に遭遇したものだという。実際にそれが何かを突き詰めていった結果、無人機や気球、ポリ袋だったケースがあったものの、「解明できていない事例」もあったとしている。 さらに、国防総省と国家情報長官室は10月17日付で、新たに連名の報告書を公開した。こちらは空中以外のUAPも対象で、それによると2022年8月31日~今年4月30日の間にAAROへ274件の報告があった。また2019年~2022年分に17件が追加された。海での報告例は1件、他は空中だった。この結果、「2023年4月30日現在、合計801件のUAP報告を受けた」となった。