都心に住む20代に車回帰の流れアリ 古着感覚で人気の“ヤングタイマー”とは?
南部CEOやその界隈のカルチャーにとって、「車は一番デカいアウター」といった感覚なのだという。インスタのDMなどを通し、「こういうファッションや音楽が好きな自分は、車は何に乗るのがいいか」といった相談も受けるといい、TBCCはいわば車のセレクトショップ的存在。「ひと昔前は、自分の周りの先輩を見て、どんな車に乗るのがいいのか考えたのだろうが、僕らの世代にはそういう車持ちの先輩がなかなかいない。だから、TBCCのインスタやユーチューブがカタログ代わりになっているんだと思う」。
「車好きの溜まり場」をオープン
車好きが集まれる場所として、TBCCではイベントにも注力してきた。昨年は、“ヤングタイマー”を間近で見たり、乗り心地をオーナーに尋ねたりできるイベントを都内や郊外で何度か開催したが、この2月には「車好きの溜まり場」を目指した飲食店を都内に開いた。世田谷の「シットオントーキョー」がそれだ。最寄り駅の駒沢大学駅から徒歩なら15分で、店舗前には3台の無料駐車場を備える。ウィスキーやナチュールワインにもこだわるが、当然ノンアルコール飲料も豊富。「今まで、都内の車好きが集まる場所というと、神奈川の大黒ふ頭パーキングエリアや郊外の駐車場などしかなかった。少しずつ盛り上がってきた、東京の若い世代のカーカルチャーの中心になれるような場を作りたかった」と南部CEOは話す。
「シットオントーキョー」は、若い世代にカーカルチャーを広めるTBCCの活動に共感した関西圏を基盤とする中古車流通業、ユーポスがスポンサーとなって出店に至ったのだという。同様に、TBCCのもとには若い世代との接点を求める自動車関連企業からもラブコールが届いている。例えば、トヨタ自動車はユーチューブ(@toyotadriverschannel)のコンテンツ制作で、TBCCや、同じく若者×車×街といった切り口で情報発信しているカー・シティ・ガイド/CCG(@car_city_guide)とタッグを組んでいる。