女子フィギュア宮原の回転不足判定のなぜ?
回転不足の定義は、踏み切りから着氷まで4分の1以上の回転が足りないと判断された場合(2分の1以上の場合はダウングレード)に減点されるもので、専門の審判員が、映像のスロー再生を行い確認するが、それは、機械的に計測されるわけではなく、人の目で踏み切りから着氷までの姿勢や、つま先、ブレードの角度などを見て判断される。 中庭氏によると「わかりやすくいえば時計の12時で踏み切り、3時の地点までで下りればクリアですが、それ以上、つまり4時くらいになるとアンダーローテーとなります。ただ、ジャンプは一回、一回、踏み切る角度も違いますし、テイクオフもランディングもカーブを描く中で行われるので、“どららとも取れる”という微妙なグレーゾーンが発生します。多少ですが、審判員の主観で大会ごとに“厳しい、甘い”という傾向が出ることになります。ただ歴史的に五輪の判定がいつも厳しいのか、というとそうでもありません」という。 中庭氏が指摘するように、団体戦の女子SPでは、宮原だけでなく、2位に入ったカロリーナ・コストナー(31、イタリア)、3位に入ったケイトリン・オズモンド(22、カナダ)も揃って冒頭の3回転フリップ+3回転トゥループの連続ジャンプのセカンドジャンプである3回転トゥループを回転不足と判定されていた。 宮原が、メダルを狙う個人戦でも同じ審判団形成が予想されるだけに、回転不足を取られない正確なジャンプへの修正が必要になる。 だが、中庭氏は「極端な修正は危険だ」と指摘する。 「クリアな回転にするために“もっと高く、もっと回転力を”という取り組みをしてしまうと、せっかくのリズムや曲との調和までが狂ってしまう危険性があります。大きな修正を求めるのでなく微調整でいいと思います。回転不足に神経過敏にならないことが重要ではないでしょうか。自信を持って個人戦に挑んで欲しいと思います」