クルマは「エンジンパワー」だけみても速い遅いはわからない! 見るべきは車重をパワーで割った数字だった
クルマはパワーだけでなく車重も重要
かのアイザック・ニュートン先生はいいました。「物体に力が加わると、その力の大きさと物体の質量に比例した加速度が生まれる」と。 【写真】軽さを追求した結果フロントの窓まで消えた!? ルノースポール・スピダーとは 要するに、クルマの場合、エンジンの力が大きければ加速度は大きく、質量=車重が大きければ加速は鈍い(加速度は小さい)という話。 これがいわゆる「運動の法則」。つまり、胸のすくような加速力を得るには、エンジンパワーをでっかくするか、車体を軽くするか、はたまたその両方が必要だってことになるわけだ。 したがって、10トントラックのように、10.7リッター、460馬力、2200Nmのスペックを誇っても、車両総重量が11トン以上もあったら、脱兎のごとく走ることはできない……。 したがって、クルマの運動性能を知りたいときは、カタログのエンジンスペックだけを見てもダメ。エンジンの力と車重をセットで見て、比較することが肝要だ。 具体的には、エンジン1馬力あたりの車重を調べ、「車重」を「馬力」で割ればいい。これがいわゆる「パワー/ウエイトレシオ」。 たとえば、NAエンジンで1.5リッターのNDロードスターのパワー/ウエイトレシオは7.5kg/馬力(990kg/132馬力)。 1.4リッターターボのスイフトスポーツは、6.929kg/馬力(970kg/140馬力)。 NA2リッターのトヨタ86(ZN6)は、6.15kg/馬力(1230kg/200馬力)で、2.2リッターになったGR86(ZN8)だと、5.489kg/馬力(1290kg/235馬力)といった感じ。 カタログを見ると、パワーもトルクもけっこうな数値なのに、実際に乗ってみるとなんだか遅く感じるクルマもあるが、そうしたクルマはパワーの割に、車重が重いケースがほとんどだ。 このパワー/ウエイトレシオは、ファミリーカーなら10~12kg/馬力でもまずまずといったところだが、スポーツカーなら8.0以下kg/馬力でないと物足りないはず。