創業から48年間「値上げしない博多ラーメン店」を直撃…物価上昇時代に【1杯290円】を貫く「驚きの信念」
止まらない物価高騰が、私たちの財布を直撃している。日々のランチ代も外食をすれば1000円を覚悟しなくてはいけない時代を迎えており、節約に苦慮することも多い。 【写真】ラーメン店の「ギャル店長」のホットパンツ姿が可愛すぎた…! そんな現代に、ラーメンを1杯290円で提供する店がある。福岡県内に9店舗を展開する「博多ラーメン はかたや」だ。 当然、原価も上がっているはずだが、290円の激安価格を堅持する思いとは。同店を運営する昭和食品工業株式会社の社長である澄川誠氏を直撃した。
290円にかける信念とは?
昭和51年に1号店がオープンした「博多ラーメン はかたや」は、福岡県内の主に幹線道路沿いに店を構える、地元では「はかラー」の通称で老若男女に親しまれるラーメン屋だ。創業当初からラーメン1杯290円を貫いている。 なぜ、この時代に290円という安価でラーメンを提供するのか。そこには、社長である澄川氏の一つの信念があった。 「他の地域では違うかもしれませんが、福岡の人間にとってラーメンは日常食。それが高い値段だと、たまにしか食べられない“特別”なものになってしまいますよね。そのため、安さを大事にしています。今の『週刊少年ジャンプ』がだいたい300円前後ですか。週に一度でも気軽に購入できる週刊誌と同じ感覚でラーメンを楽しんでもらいたいと願っています」(澄川氏、以下「」も) 確かにこの値段であれば、学生でもマンガ雑誌を買うような気軽さでラーメンを食べられる。 澄川氏の言うように、福岡で育った筆者にとって、ラーメンは日常食だった。学校帰りなどに友人らとラーメンを気軽に食べており、食べ盛りの頃には「おやつ以上、食事未満」といった位置付けで、生活に密着していたように感じている。 しかし、同業他社では原価高騰のあおりを受けて、値上げを余儀なくされるケースが多く、気軽さは希薄になりつつある。澄川氏はこの状況をどう見ているのか。 「まず、原価が上がったから売価をあげるというのが間違いです。原価と売価には因果関係はないんですよ。売価は、お客さん(市場)が決めるものなので、原価が上がったからといって売価をあげるのは自分勝手だと私は思います」