達人が教える“缶詰の奥深き世界”ご当地味から変わり種まで進化中、牛タンやあんかけスパなども
【福岡県】ふくや ボルシチグランマの味(972円)
福岡・天神の老舗ロシア料理店「ツンドラ」の名物、ボルシチ。芸能人やプロ野球選手なども通った人気店だが、3年前に閉店。伝統の味を、地元の明太子メーカー「ふくや」が缶詰にして復活させた。 「中身が数年間同じ状態で、なくなってしまったお店の味を後に伝えることもできる。缶詰は“タイムマシン”でもあるんですね」 【熊本県】千興ファーム 馬肉のアヒージョ(540円) 熊本・阿蘇に馬専用自主ファームと日本唯一の馬肉専用生産場を持つ馬肉専門店の本格派。 「アヒージョ系は常に人気ですが、熊本名物としておなじみの“馬肉”を使用。お酒のおつまみにも最高です。熊本空港でも販売しているので、旅の思い出に持ち帰っても」 鈴木さんに、改めて缶詰の魅力を聞いてみた。 「加熱・加圧殺菌が施されていて保存料などは使わず、魚なら骨まで丸ごと食べられて健康的、缶はリサイクル可能、長持ちするのでフードロス、フードウェイスト対策としても注目。 そして、何よりもおいしくて、料理初心者でも手軽に利用でき、時短にもなり、タイパが高いのもうれしいですね」 たかが缶詰と侮るなかれ。一つひとつにドラマもぎっしり詰まっているのだ。
こんなものまで缶詰に!?
こまち食品 いぶりがっこ缶(594円) こまち食品 梅干缶(紀州南高梅)(777円) 「パリパリの食感・風味もそのままの秋田名物・いぶりがっこが楽しめる缶詰です。袋ものだと汁漏れや匂い漏れなどが気になりますが、缶詰ならその心配もなし。 手軽に日本の味を持ち運べるので、外国の方にも大人気です。同じくこまち食品の『梅干缶』も災害食大賞2023優秀賞を受賞するなど人気です」(鈴木さん) ※価格は2024年12月現在の「カンダフル」オンライン価格(税込み) 教えてくれたのは……缶詰専門店「カンダフル」●2022年3月に東京・JR新橋駅構内にオープン。日本中のローカル缶詰が常時400種類以上そろい、驚きの缶詰との出合いが楽しめるスポット。JR東日本新橋駅構内エキュートエディション新橋店(JR新橋駅1F北改札外 SL広場側高架下)営業時間:月~土 12時~20時、日・祝 12時~19時 https://cannederful.com 取材・文/住田幸子