【クリスマスメニュー】「恒例にすると子どもも楽しみに」行正り香のレシピ“チキンと野菜のオーブン焼き&インゲンとトマトのサラダ”
「毎日、休みなく続いていく食事づくり。でも、いつも100パーセントの力でがんばっていると、体も心も疲れてしまいます」と話すのは、料理家・インテリアデザイナーの行正り香さん。行正さんが平日の晩に約20分でつくれて、見た目も食べごたえも満足できる「2皿ディナー」のレシピを紹介した『行正り香のがんばらない平日レシピ』より、一部を抜粋して紹介します。 【画像】金色でコーディネートした、華やかなクリスマスディナーの食卓
Winter & recipes
まだ暖かい陽気が続くと思っていたのに、突然、デパートにはきれいなクリスマスツリーが並び始めます。お店に入ると、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン。天井のスピーカーから、クリスマスソングが流れている。あ、もう冬だ。冬がやって来るんだ。 いつもはにおいで季節の変化を感じるのに、冬だけは違う。目と耳が、先に季節の変化を伝えてくれます。秋の食材選びも楽しいけれど、冬の食材選びもまた、楽しい。シチューにはカブを入れようか、鍋には春菊を入れようか。鴨も入れようか。苦さと甘さの掛け合わせに、どんなお酒を合わせよう。そうこう考えているうちに、冬も深まり、路地には白やピンクの、そして紅色のさざんかが咲き乱れ、鮮やかな色が、灰色の街に彩りを添えていきます。 朝、澄んだ空気のなかを歩いていたら、歌いながら散歩する保育園児たちとすれ違いました。黄色い帽子をかぶった小さな子が、小さな手で、ポトンと路地に落ちたさざんかを拾っている。袋に大事そうに入れて、きっとお母さんのおみやげにするのかな。微笑ましい姿に、心の奥底まで温かくなります。 寒い冬は、親しい人と肩を寄せ合って鍋もよし。スパークリングワインで、クリスマスや年始を祝うもよし。寒いからこそ生まれる、ちょっと近い関係を楽しんでみるのは、いかがでしょう。春が来るまで、心だけでもほっと温かい冬を。
チキンと野菜のオーブン焼き&インゲンとトマトのサラダ
今年のクリスマスは、なにをつくろうかと、毎年悩む人もいますが、私は“毎年同じ”です。チキンを焼いてイチゴのショートケーキをつくる。これが、わが家のクリスマスと決めているので、メニューづくりに頭を悩ますこともありません。“クリスマスは、あれ”と恒例にしてしまうと、かえって子どもも楽しみにしてくれます。 近所になじみの鶏肉屋さんがあって、忙しいときは電話で「すみませ~ん。夕方取りに行きますから、骨つきの鶏モモ肉4本! ついでに塩ふっておいてくださ~い」と頼んでおきます。 夕方になったらこの鶏肉を受け取れば、あとは家に帰って焼くだけです。 骨つきの鶏肉は、網にのせてオーブンで焼くのがベストで、脂が落ちて皮もカリッと焼き上がります。そのとき網の下に入れる天板に野菜を並べておくと、上から落ちてくる鶏肉のうま味のある脂が野菜にしみ、つけ合わせも同時にできて一石二鳥。ニンジンは砂糖と塩をまぶしてから焼くのがコツで、こうするとグラッセみたいに甘く焼き上がります。 赤と緑のクリスマスカラーでまとめたサラダをサブに添えたら、ワインの栓を抜いて、今年も「メリークリスマス!」