首位快走の広島 160キロ左腕に他球団「モイネロ級の逸材」驚きの声が
2018年のVに貢献した助っ人左腕
新戦力の活躍はチームに大きなプラスアルファをもたらす。広島が球団史上初のリーグ3連覇を飾った18年に、助っ人左腕で奮闘したのがヘロニモ・フランスアだった。ドミニカ共和国のカープアカデミーに入団し、14年9月に練習生として来日すると、18年3月に育成契約で入団した。5月下旬に支配下昇格すると、8月は18試合登板して防御率0.51で月間MVPを受賞。47試合登板で3勝4敗1セーブ19ホールド、防御率1.66の活躍で、巨人と対戦したCSファイナルステージ第3戦では胴上げ投手になった。 野球評論家の伊原春樹氏はフランスアの働きぶりを、週刊ベースボールのコラムで高く評価していた。 「それにしても、広島は戦力が豊富だ。主力がケガで欠けたとしても、代わりの選手がその穴を埋める。外国人選手も同様だ。今年はセットアッパー・ジャクソンの調子がイマイチだった。6月は11試合に投げ防御率5.06、7月は3試合に投げ防御率6.75と不調をきたすと二軍へ。代わりに出てきたのがフランスアだった。ドミニカ共和国のカープアカデミー出身の左腕。2014年に練習生として来日し、四国ILなどに派遣され、今年3月に育成選手として広島と契約していた。そして、5月20日に支配下昇格。まさにハングリー精神にあふれる投手だ」 「当初は先発として考えられていたが結果を残せず、中継ぎに転向。これがはまった。ジャクソンに代わり、8回を担うようになると快投を続ける。特に8月は30日のヤクルト戦(神宮)で月間18試合登板。セ・リーグ新記録を樹立し、稲尾和久(元西鉄)、益田直也(ロッテ)のプロ野球記録に並んだ。さらに同日現在、8月は防御率0.51。ピンチになっても動じず、自分のボールを投げ込む。球速以上の伸びを感じる直球の勢いもある。もはやチームに欠かせない存在だ」 フランスアは翌19年に自己最多の67試合登板で8勝6敗12セーブ18ホールド、防御率2.76をマーク。20年も53試合登板で2勝3敗19セーブ7ホールド、防御率2.45と守護神として活躍した。左腕から最速159キロの直球とスライダーを武器に三振の山を築く投球スタイルは、ハーンが重なる。広島の救世主になれるか。セ・リーグの打者たちを相手にベールを脱ぐときが楽しみだ。 写真=BBM
週刊ベースボール