原油先物は底堅い、地政学的リスクや中国の政策巡る期待が支援
Katya Golubkova [東京 10日 ロイター] - アジア時間の原油先物は小幅安。シリアのアサド政権崩壊を受けた地政学的リスクの高まりや中国の景気刺激策への期待に支援され、前日の上昇分をほぼ維持している。 0151GMT(日本時間午前10時51分)時点で、北海ブレント先物は0.13ドル(0.2%)安の1バレル=72.01ドル、米WTI原油先物は0.14ドル(0.2%)安の68.23ドル。前日にはともに1%以上上昇していた。 ANZリサーチは「シリアの政権崩壊により中東で地政学的緊張が高まり、原油価格に若干のリスクプレミアムを与えている」と指摘した。 シリア自体は主要な産油国ではないが、戦略的立地にあり、ロシアやイランと強い結びつきがある。 中国が来年、経済成長を支えるためにより積極的な財政政策と併せて「適度に緩和的な」金融政策を導入するという報道も、前日の原油相場を押し上げた。 9日発表された11月の中国消費者物価指数(CPI)は5カ月ぶりの低い伸びを記録し、投資家心理を圧迫したが、アナリストは中国の財政刺激策によって原油価格が今後恩恵を受けると予想している。 IGのアナリスト、トニー・シカモア氏は「原油は直近のレンジ上限である72.50ドル近辺に向かうとみられ、けさの軟調な動きは絶好の買い場になるだろう」と述べた。