福田正博“同い年のカズ”に「嫉妬もあった」三浦知良のすごさを語る
◆刺激を受けた、同い年・57歳で現役のカズの言葉
福田:僕と同い年(57歳)で、まだ現役でやっている選手もいますけどね。 丸山:いましたね! 福田:僕と同い年なんですから、三浦知良(みうら・かずよし)選手。カズはすごいですよ。57歳でまだやっていますから。僕らの場合、プロの選手としてやっていくためには、契約してもらわなきゃいけないから。ということは、契約してくれるチームがなきゃいけないわけですよ。 丸山:そうですよね。 福田:何故、チームは契約するかといったら、その選手がやっぱりチームに何か利益をもたらしてくれるっていう条件ですよね。 丸山:おっしゃる通り。 福田:だから、プレーで結果として残すこともそうですし、それ以外のメディアとかスポンサーさんということも含めて、彼にはまだ全然価値があるということですね。 丸山:素晴らしいですよね。 福田:57歳でもお金を動かす、メディアを動かす。例えば、ちょっと試合に出たら必ずニュースになるし、点を取ったら必ずニュースになる。海外に移籍したら必ずニュースになる。そんなJリーグの選手はいない。 丸山:確かに。 福田:プレーのところではいろいろなことがあると思いますよ、57歳になれば。だけど、そうやってお金を動かしたり、人を動かしたり、いろいろなものを動かせる力をまだ57歳で持っていると。 丸山:やっぱりその年代ではたぶん業界1位じゃないですか? スポーツ業界を含めても。 福田:そうですね。 丸山:あんなに注目を浴びるシニアの層というか。(ほかに)いませんよね。 福田:僕は同い年で、同じ選手のときにはやっぱりライバル意識をすごく持っていて、なかなか素直に僕自身がなれなかった。 丸山:なるほど。 福田:たぶん嫉妬もあったと思うんです、僕自身。ちょっと嫌な部分もあったんだけれども、今このぐらい年齢を重ねてくると、すごくフラットな状態で彼を見れるようになった。僕が現役当時はそんなふうにしゃべったことがないんだけど、仕事の関係でインタビューすることがあって。いろいろ話をすると、昔話で盛り上がったりして。「いつまでやるの?」って聞いたら、「いや、ほかにやりたいものが見つからないから、サッカーしか好きなものがないからやっているんだ」って、目をキラキラ輝かせながら言うんですよ。 丸山:はい。 福田:大体年齢を重ねてくると、ちょっとケガをしたり、悲愴感が漂ってきたりするんですよ。僕は、プロの選手って同情されたら終わりだと思っているんですよ。ちょっと痛々しいとかかわいそうだなとかしょうがないよなとか……そうなるとちょっとつらいじゃないですか。 丸山:つらいです。 福田:カズの場合って、それがない気がするんですよ。キラキラ輝いているし、「サッカーを始めた少年のときよりも、今のほうがサッカー好きだ」って言うんですね。そんな素敵な人生ってないなと思って。それを聞いたときに、“同い年でまだまだ老け込んではいられないな”“頑張らなきゃな”って思えるぐらい、やっぱり刺激になる存在ですね。 (TOKYO FM「ACN presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」2024年10月26日(土)放送より)