うるさい社長に「仕事してるアピール」をするために「スリッパを10センチだけ動かした」結果
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第27回 『「離婚したほうがいい」…相談した友達の意見に潜む“都合のいい情報”…夫婦関係がより悪化しかねない「危険なアドバイス」』より続く
アピールが下手
私がこれまで約4万件の離婚相談を受けてきた経験上で申し上げますと、言い方は悪いですが、みなさんアピールが下手だなとつくづく感じます。 「私は仕事をがんばっている」「家事をがんばっている」、といったアピールが夫婦ともにできていないと感じます。 相談に来る夫婦はたいていパートナーがどれだけ苦労しているか、努力しているかを知らず、「自分のパートナーはダメな人間だ」と決めつけているのです。実際には仕事にせよ家事にせよがんばっているのに、です。 少し個人的な話をさせてください。私は離婚カウンセラーになるまで、いろんな仕事をしてきたのですが、とある建築事務所の事務として働いたこともありました。 その建築事務所の社長は、かなりワンマンで、言いつけ通りにしないとすぐ怒られました。いまならブラック企業と言われそうな会社です。
掃除をしたフリ
労働条件に「ボーナスを年に6ヵ月分」とありました。小さな事務所としてはずいぶん破格の待遇ですが、やはりウラがあります。古参の社員に聞くと、「そんなのだれももらったことがない」とのこと。ボーナスが支給される前にみんな辞めてしまうからです。ホントの話です。 ある日、社長が急に外出しました。ほかの社員も出払っていたので、オフィスにいるのは私だけ。とくに指示もなかったので、私はやることがなくなりました。 でも、うるさい社長なので、何かしないと怒られます。掃除でもしようと思ったのですが、オフィスはきれいです。社長がうるさいので、みんなが気をつけて普段から汚さないようにしていたのです。 とはいえ掃除した「フリ」くらいはしなきゃいけないと思ったので、私は社長の机の下にあったスリッパを10センチだけ動かしておきました。 社長が帰ってくると、私を呼びつけて怒りました。 「岡野さん、スリッパは動かさないで」 私は「はい、すみません」と返事します。たったそれだけですが、私は社長に「あっ、掃除したな」と思わせることに成功したのです。実際には掃除をしていないにもかかわらず、です。
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