「速く投げる必要はない」今永昇太の直球に隠された“マジック”とは? 「もっと多くの球団が気づくべきだった」
メジャー1年目から快進撃が止まらない。カブスの今永昇太は9試合で5勝0敗、防御率「0.84」と好成績を収めている。 【動画】日本では「珍しくない」? 今永昇太の球審への礼節シーン 米メディア『Sports Illustrated』のトム・バーデュッチ記者は記事の中で、「イマナガの直球に隠されたマジックとは? それはマジックではない。物理学であり、純粋な球速への愛着がいかに見当違いであるかを説明するのに役立つ」とし、左腕の活躍の裏に何があるのかを探っている。 記事によれば、今永の直球の球速は92マイル(148キロ)で、平均球速 (94.1マイル) よりも約2.1マイル(約3.4キロ)遅いにもかかわらず、メジャーの舞台で優れた結果を残していると伝えている。 ここまでの好成績を踏まえ「もっと多くの球団がイマナガの価値に気づくべきだった。彼は卓越した速球の特性と圧倒的なスプリットを持ち、ストライク率の高い投手だ」と紹介している。 記事では今永の直球(フォーシーム)をさらに深掘りしている。「身長5フィート10インチ(178cm)のイマナガは、低めのリリースポイント(5.49)と高い回転数(2439rpm)の速球を投げる」とし、「ストライクゾーンの上3分の1で124本のフォーシームを投げ、被安打5、被打率.119に抑えている」と驚いた様子で記している。 さらに「彼の速球は回転が非常に速いため、ほとんどの速球よりも重力に逆らう(沈みにくい)のだ」と説明。「イマナガは、低いリリースポイントからとんでもない回転をかける選ばれた投手グループに属している」と、紹介している。 ただ、懸念点としてはスタミナの問題を挙げた。記事では、カブスのクレイグ・カウンセル監督は、今永の投球回数を「170イニング程度」に制限すると述べたとある。 登板予定だった24日の敵地でのカージナルス戦が雨天中止になったが、10日間の休養を経て30日のブルワーズ戦に6勝目をかけて先発登板する。 記事には、今後も「イマナガの素晴らしいスタートは持続可能だろうか?」とあるが、「イマナガは打者を翻弄し続けるためのあらゆる手段を備えている」と紹介。「彼は、成功するために速く投げる必要はないという爽快な証拠を示す数人の投手のひとりだ」と、最後まで今永の特長を絶賛していた。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]