R33型スカイラインGT-Rが新車発表の先陣を切る!【1995年東京オートサロンの想い出】
開催初期は国内自動車メーカーの出展など夢のまた夢
今年で第43回目の開催を迎える『東京オートサロン2025』。今でこそ自動車メーカーも出展し、新型車発表の場となり、カスタマイズを前提とした車両の発表展示も行われるようになったが、イベント開催初期には国内自動車メーカーの出展など夢のまた夢だった。その先陣を切ったのはあの人気スポーツカーである。 【写真】1995年東京オートサロンで発表されたR33GT-R (7枚) 東京オートサロンはもともと『東京エキサイティングカーショー』という名称のイベントで、1983年にチューニングカーマガジン『OPTION』初代編集長の稲田大二郎氏が、カスタムカー、チューニングカーの文化を世に広めるべく始めたのがきっかけだ。1987年の第5回目からは『東京オートサロン』に名称を変更し、毎年規模を拡大してきた。 1980年代のカスタマイズカー、チューニングカーはパーツを含めて合法、非合法の垣根がはっきりしておらず、また集まってくるクルマには違法改造車も多かった。イベント開催にあたっては警察もかなり敏感になっていた。そのため、自動車メーカーが直接出展するなど考えられなかった。
3台のGT-Rがアンベールされると、人垣で見えない状態に
その傾向を覆すことになったのが1995年1月6日から8日にかけて開催された第13回東京オートサロンである。このイベント初日に日産がスカイラインGT-R(BCNR-33型)の初披露を行ったのだ。 3台のGT-Rがアンベールされると、すぐに人垣でクルマが見えない状態になり、プレス関係者は困惑。ファンの関心の高さを感じさせた。その後ファンはスカイラインGT-Rの開発責任者である渡邉衡三氏のトークショーに熱心に耳を傾けていた。 ちなみに初披露会で発表されたスカイラインGT-Rは標準車、Vスペック、VスペックN1で、当初からVスペック系が用意された点が前作のBNR32型スカイラインGT-Rと異なるところだ。 車両本体価格は標準車が478万5000円、Vスペックが529万円、VスペックN1仕様は599万円(いずれも消費税含まず)だった。高価ではあったが、先代のBNR32型からさらに進化、性能向上を果たしており、後日談として、1997年に日産関連企業のオーテックジャパンから4ドア版となる『スカイラインGT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー』も発売された。