R33型スカイラインGT-Rが新車発表の先陣を切る!【1995年東京オートサロンの想い出】
R33GT-Rとはどんなクルマだったのか
それでは、BCNR33型スカイラインGT-R(以下R33GT-R)はどんなクルマだったのか。改めて振り返ってみたい。 R33型スカイラインが発表されたのは1993年8月のことで、同年10~11月に開催された第30回東京モーターショーでR33GT-Rのプロトタイプが発表された。以前にも増してニュルブルクリンクでのテストドライブが重視されており、7分59秒のタイムを記録。『マイナス21秒ロマン』をキャッチコピーに使ったテレビCMも流れた。 メカニズムは大雑把に言えばBNR32型スカイラインGT-R(以下R32GT-R)の正常進化版。搭載されるエンジンはR32GT-R同様に2.6L直6DOHCツインターボ(RB26DETT)だが、エンジンパーツの見直しやターボの過給圧アップ、コンピュータ制御変更などで最大トルクが1.5kg-m向上し、280ps/37.5kg-mとなった。 シャシーはホイールベースが105mm拡大され2720mmに。空力性能やボディ剛性もアップし、リアスポイラーは4段階の角度調整を可能にした。空気抵抗係数(Cd)は0.35を実現。4WDシステムは標準車がトルク配分をよりFR車に近い制御にしたアテーサE-TS、そしてVスペックがアテーサE-TSプロを採用。後者は前後の駆動力配分を最適制御するアテーサE-TSと後輪左右の駆動力を最適制御するアクティブLSD、ABSを組み合わせたシステムだ。 RB26DETTエンジンを搭載した第2世代スカイラインGT-Rのなかで最も評価の低いように思えるR33GT-Rだが、乗ってみると非常にいい。中古車価格も高値推移しており、最近改めて価値が見直されてきたフシもある。日本が世界に誇る日産の本格スポーツカーは、今からちょうど30年前の東京オートサロンで初披露されたのであった。
木原寛明(執筆) 平井大介(編集)