休日は仕事の視点を持ち込まない。ゴディバのマーケ担当が語る「消費者視点を忘れないための習慣」
「休日も仕事のことを考えてしまう」 仕事が忙しいときや、仕事に情熱を感じているときは、多くの人は休日でも仕事のことを考えてしまうのではないだろうか。特に、BtoCのマーケターは、消費者のニーズを考慮するため休日も仕事モードになりがちだ。 ゴディバ ジャパン株式会社のデジタルマーケティング担当者である今井氏は、以前は休日も他社の製品を試したり、ゴディバの店舗を訪れたりして、常に仕事のことを考えていたという。
しかし、育児休暇を経て、彼女の考え方は大きく変わった。今井氏は「意識的に休日を仕事から切り離し、プライベートな時間を大切にするようになり、より消費者の気持ちが分かるようになった」と語る。そんな今井氏のキャリアや仕事に関する4つのマイルールについて聞いた。
今井氏のファーストキャリアは、老舗総合アパレルメーカーのブランド営業だった。数店舗を担当し、販売員のマネジメントを行う。彼女のメンターである先輩は、店舗からの信頼が厚く、仕事に対して非常に情熱的だったという。 ┌────────── 先輩は店舗のためであれば、休日を返上して店舗に顔を出し、自身も販売する。『現場が正義』という先輩の情熱に対し、当時の自分なりに感じていた営業としてすべきことの差異を感じ反発してしまったこともあり……今振り返ると、社会人数か月の私が何を知っているんだという話なのですが(今井氏) └────────── 一方、今井氏は営業経験を通じて、営業部の発信力の弱さに疑問を感じ、お客様のデータに関心を持ちはじめたのだ。 ┌────────── 私は営業担当として、現場から見た店舗の客層や売れ行き、他ブランドの状況などを報告していました。しかし、その意見は商品開発や販促に反映されていないように思えました。 注目されていたのは、アイテムの販売数や在庫数など数値でわかるものでした。ジレンマを感じるようになり、お客様のデータを数値で出せるようにならないかと考えるようになりました(今井氏) └────────── 当時は、顧客情報は店舗がそれぞれアナログで保有していたため、全体のデータを集計することが困難だったという。 ┌────────── 現場の情報を数値化できれば、もっと納得性の高い販売戦略が立てられるはずなのにと歯がゆく感じていました。年に一度書くキャリアシートに生意気にも、『これからはお客様のデータを分析して販売戦略を練るべき。私はそういうマーケターになりたい』と記入したほどです(今井氏) └────────── 実はその頃、会社側もCRMに着手しなければと考えていた。今井氏の意思が上司に伝わり、CRM部署の立ち上げメンバーとして異動することになり、今井氏のマーケターとしてのキャリアがスタートした。 CRM部は自社アプリで取り扱う10のブランドの担当者と週次で打ち合わせを行う。今井氏は新たな部署で自分のやってみたかった仕事をしながら、メンターの先輩を思い出す機会が増えたのだという。