休日は仕事の視点を持ち込まない。ゴディバのマーケ担当が語る「消費者視点を忘れないための習慣」
ゴディバには、「絶対的ではなくても、ある程度確信があるなら、まずはチャレンジしてみる」という考え方がある。アプリの立ち上げ時、リリースができるか100%の確信はなかったが、ベターを尽くしてうまくいった経験が、今井氏にとって大きな気づきになった。
■ [ルール3] 未来の私のために、考えやアイデアを書き出す 今井氏はよくメモを取るという。気づきや想いを残しておくと、時間が経ってから「あの時こんなことを考えていたのか」と思ったり、現状との差がわかったりするからだ。他には、今後予定しているメルマガのラフ案なども、思いついたらすぐにネタ帳に書き出している。 ┌────────── ゴディバのメルマガは凝っていて、ランディングページのように作りこんでいます。どの商品を載せようか、コピーはどうしようかなど、紙面を作っている感覚です。だから紙に書き出す方がアイデアがわきます。思いついた時にネタ帳に書いておくようにしています。息詰まった時にネタ帳をめくると、過去の私がいい仕事をしてくれています(笑)(今井氏) └──────────
忙しさのあまり、「自分が眠っている間に小人が仕事をしてくれたら」と童話のような妄想をしたことはないだろうか。今井氏にとっては過去の自分が、仕事を手伝ってくれる小人のような存在なのかもしれない。
産休に入って、仕事から離れて気付いたこと
■ [ルール4] プライベートな時間に、あえて仕事の視点をもちこまない 産休に入る前後で大きく変わったのは、プライベートの時間に仕事の視点をもちこまなくなったことだ。産休に入るまでは、休日に他社製品を食べたり、ゴディバの売り場に行ったりするときは、常に仕事の視点を持っていた。 ┌────────── 産休に入って仕事からいったん離れたら、一人の消費者、つまりお客様と同じ視点をもてた気がしました。普通のお客様はリサーチの視点でチョコレートを買わないですし、ずっとゴディバのことを考えているわけではないですから(今井氏) └────────── 今井氏は本当に欲しいものを買う購買体験を大事にするようになった。そして、仕事の時間に「私は休日になんでこれを買ったんだろう?」「最初にこの商品を何で見かけたんだろう」と振り返る。 ┌────────── 今を生きている人が普段目にするSNSや街中で見かけるものと比べて、自分たちの発信内容やデザインのベクトルがずれていないかを気にするようになりました。その中で『長いメルマガでもコンテンツとして魅力的であれば読まれる』など、マーケティングの一般的なセオリーに囚われず、フラットに評価するようになった気がします(今井氏) └────────── また、今井氏は過去の成功例にこだわりすぎないことも大事にしている。「以前はこれが当たった」と思って同じ施策を打っても、反応が思わしくないことは往々にしてある。
┌────────── 私が産休に入って変わったように、お客様も外的な要因や事情によって、考えが変わっていきます。だからこそ、私が一消費者として『これはいい!』と思ったことを大切にしています(今井氏) └──────────