ペットしのぶ井波の技、生前の姿を精巧に表現 富山県南砺市の木彫工芸家、ぬくもり感じる位牌受注
富山県南砺市岩屋(井波)の木彫工芸家、木村正和さん(49)が、亡くなったペットをしのぶ木彫りの位牌(いはい)の受注を始めた。井波彫刻の技術を生かし、生前の姿を精巧に表現しつつ、木のぬくもりを感じられる仕上がりとなっており、オーダーメードで受け付ける。 木村さんは茨城県出身。高校卒業後、彫刻師を志し、井波彫刻伝統工芸士で「現代の名工」の故野村清宝さんに弟子入り。9年間の修業を経て独立した。 現在は自宅兼工房「木村彫刻工房」で、動物のレリーフや赤ちゃんの木彫人形など、全国からオーダーメードの作品を受注する。 9月中旬に依頼主2人から、亡くなったペットのインコとネコの位牌の依頼をそれぞれ受けた。位牌の上部には生前の写真を基に、レリーフ状にペットの姿を彫刻。細かくのみを入れ、羽毛や毛並みの質感を繊細に表現した。インコの位牌には名前の「桜」に合わせ、サクラの花もあしらった。 位牌の大きさは高さ約20センチ、幅約10センチ、奥行き約4センチ。材木はカヤとヒノキを使った。
位牌の依頼は、同工房のホームページ上などで受け付ける。木村さんは「木彫刻でしか表現できない独特の温かみを出せた。身近に飾ってもらい、生前を思い出してくれれば」と話している。