ウォルマートの創業者サム・ウォルトン氏。

経験豊富なパイロットだったウォルマートの創業者サム・ウォルトン氏は、自分の飛行機を使って各地の店舗をサプライズ訪問していた。 【全画像をみる】CEOが空からある日突然やってくる？ 経験者が語る、ウォルマート創業者の驚くべき「店舗視察」 アメリカのテキサス州にあるウォルマートで店長を務めているロバート・ドイルさんも、1980年代にこのサプライズ訪問を経験したことがある。 ドイルさんは、誰かが悪ふざけをしているのかと思ったとBusiness Insiderに語った。 CEOによる店舗の視察は、大型小売業において確立された伝統だ。 ただ、ウォルマートでは創業から数十年間、この"視察"が明らかに異なる様相を呈していた。 なぜなら創業者のサム・ウォルトン氏が経験豊富なパイロットで、小型の自家用機で全国を飛び回り、時には空から降りて店舗を視察していたからだ。 現在、テキサス州にあるウォルマートで店長を務めているロバート・ドイルさんも、1980年代にこうした"サプライズ訪問"を体験したことがあるとBusiness Insiderに語った。 アーカンソー州ベントンビルに本社を置くウォルマートにとって、この10年は大きな意味を持つ10年だった ── 同社の年次報告書によると、1980年に初めて売上高10億ドルを達成し、1990年には250億ドルを超えるまでに急成長した。その間に店舗数も276店舗から1402店舗へと急増し、1988年には同社初のスーパーセンターがオープンした。 当時、ドイルさんはまだアシスタント・マネジャーとして仕事を覚えている最中で、上司が休暇中のある日、たまたま店を任されていた。 すると、電話が鳴った。 「やあ、ロバート。サムだ」 「今、空港にいて、君の店を見たいと思っている。迎えに来てくれたら、君の店を視察したい」 ドイルさんは最初、誰かが悪ふざけをしているのかと思った言う。ウォルトン氏の声をまだよく知らなかったからだ。 ただ、電話の相手が本当に「ミスター・サム」で、誰かが迎えにいく必要があることはすぐに分かった。ドイルさんはトラックに乗り込み、急いで空港へ向かった。