乗降客微減、50万6千人 黒部トロッコ電車、今季営業終了
●地震で全線開通できず 訪日客は過去最高 黒部峡谷鉄道(黒部市)は30日、今季のトロッコ電車の営業運転を終えた。年間乗降客数(速報値)は前年比4・2%減の50万6050人となった。能登半島地震による鐘釣(かねつり)橋の損傷で全線開通ができなかったことが影響した。インバウンド(訪日客)は前年比7%増の8万3千人に上り、過去最高を更新した。 今季は4月19日から営業を始め、25日から宇奈月-猫又駅間を折り返し運行した。客数は4、5月の春の行楽期が富山空港と台湾、韓国を結ぶチャーター便運航もあり、前年と同水準で推移した。 しかし、7、8月の夏の行楽期は国内客が伸び悩み、前年比11%減となった。猫又駅が10月5日から乗降可能になり、10、11月の紅葉シーズンは前年比4%増となった。 訪日客は台湾、韓国を中心に好調で、新型コロナ禍前の2019年比でも22%増となった。 ●宇奈月温泉の女将が見送り 30日は宇奈月駅で営業運転終了セレモニーが行われ、宇奈月温泉の女将(おかみ)による「かたかご会」のメンバーが最終列車乗務員に花束を贈った。黒部峡谷鉄道の鈴木俊茂社長があいさつした。午後2時33分に最終便が出発し、女将や社員らが見送った。 ●1、2月にツアー 黒部峡谷鉄道は「冬の黒部峡谷プレミアムツアー」と銘打ち、来年1、2月にトロッコ電車を特別運行する。1日から予約を受け付ける。