あさこさん(瀬奈じゅんさん)の芸能生活30周年記念コンサートを終えて。夢のような時間をもう一度振り返る
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第86回は「『「ALive Returns」リターン』」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて) 【写真】駆けつけてくれた元月組の仲間たち * * * * * * * ◆夢のような時間 夢のような時間とは、まさにこんな時間のことを言うのでしょう。 まだ2週間しか経っていないのに、もっと前だったかのように感じたり、本当にあったのかとも思ったり、ふわふわしているような、でもあの時の景色や匂いや体感はしっかりと記憶に残っています。 そんな夢のような時間をもう一度振り返ってみようと思います。 前回、初日の幕が上がる直前に残念ながら中止になってしまったあさこさん(瀬奈じゅんさん)の芸能生活30周年記念コンサート。 このコンサートを成功させたい! 言葉にせずとも、誰もがそう思っていました。 出演者の彩乃かなみさん、宇月颯さん、晴音アキさん、そして私。 演出家の三木章雄先生、音楽監督の吉田優子先生、振付けのKAZUMI-BOY先生、千田真司先生、スタッフの皆様。 そしてファンの皆様も待っていました。 それがひしひしと感じられ、みんなの想いは一つでした。 こんなに愛されている人っているでしょうか? 瀬奈じゅんさんの約2年越しのリベンジコンサートは、みんなの熱い想いの中スタートしたのでした。
◆トップスターにしか出来ない技 コンサートのゲストも豪華でした。 1日目のゲストは、大空ゆうひさんと霧矢大夢さん。 2日目のゲストは、春野寿美礼さんと大鳥れいさん。 トップスターが4人も。 トップを張っていた人の舞台の埋め方に、リハーサルから完全に吸い込まれました。 出てきて歌い出した瞬間から、その人の色と世界観で空間を支配します。 どの人も劇場の空気を一瞬にして自分のものに変えていきました。 これは技術ではなく、トップスターにしか出来ない技です。 特に驚いたのは大空ゆうひさん。 ゆうひさんのソロは、映画『カサブランカ』の『As Time Goes By』でした。 昔からゆうひさんの持つ独特な雰囲気が好きでした。
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